ウェブ大変化 パワーシフトの始まり~クラウドだけでは語れない来たるべき未来

いただいたもの

楽天技術研究所所長の森正弥さんによる、現在と少し先のネット世界を俯瞰して解説した本です。
第一章は、最新の技術を使った多数の新しいインタフェースやユーティリティの紹介。タンジブル/ウェアラブル・コンピューターやオーギュメンテッド・リアリティなどの面白い事例が多数紹介されています。
第二章では、クラウドという言葉の登場した歴史から、単なるCPUの時間貸しにはとどまらないソフトウェアやプラットフォームの外部化。そして大規模データの登場とそれを処理するための分散処理や、エラー忘却型コンピューティングなどが言及。第三章では集合知やツイッターをはじめとしたリアルタイムウェブなど。
5年前10年前のネットやウェブの解説書には、ここで書かれていることの多くはまだ登場していなかったでしょう。つくづく、コンピューターやインターネットの産業というものが、先が読めている一直線の道を進んでいるのではなく、予想できなかった人気サービスや要素技術の登場でもってダイナミックにその進化の方向を変えて動いていると、読んでいて感じました。
この本のメインターゲットはネットの最新の状態を知りたいと思う普通の人だと思いますが、ともすれば難しくなってしまいそうなトピックについても平易に説明されています。著者があとがきで言及している「ウェブ進化論」を楽しんだ人であれば、同じようにわくわくできるのではないでしょうか。
個人的に面白かったのは、1910年代には発電所を企業が自前で持つのが標準だったが、維持や効率から発電を行う専門の会社から電気を買うのが数十年のうちに普通になった、という話とクラウドコンピューティングへの移行の類似を指摘しているところです。レッドタクトンとかイギリス政府のプロジェクト”Show Us a Better Way”などの把握していなかった技術やプロジェクトの情報も参考になりました。

[書評に関する注意書き]

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