Kickstarterに失敗は無い – 失敗プロジェクトを隠すのは正当なサービス設計か?

ネット越に広く少額のお金を募って商品やサービス開発を実現するクラウドファンディングは、日本でも流行っているのか、今も新しいサービスが出てきていますね。
クラウドファンディングサービスとしてまず名前が挙がるのはKickstarterだと思います。Hacker Newsで見つけたのですが、このKickstarterのサイト構造が、どうやら、「出資募集中」と「成功」のプロジェクトしか見えないように作られている、というのを発見した人が居て、そのサイト設計が正当かどうかという議論が盛り上がっているようです。
サイトのトップからは、新着のプロジェクトとかカテゴリー毎の一覧ページとかにリンクで辿れるのですが、Dan Misenerさんがクリックを繰り返して探そうとしたところ、どこまでリンクしても「失敗」したプロジェクトが現れない。そこで彼はクローラープログラムを書いて走らせ、Kickstarterのトップから辿れるプロジェクトのリストを機械的に作らせたのですが、リンクからは失敗したプロジェクトにはまったく辿りつけないということが判明したのです。
[追記] @yoski の指摘で、成功|募集中のプロジェクト→賛同者のユーザーページ→賛同者の他の賛同プロジェクトのリスト→失敗プロジェクト というリンクがあるのを教えてもらいました。行きづらいけれどもリンクがまったく無いことはなかったですね。Misenerさんのクローラーはなんで見つけなかったのだろう?
[追記2] 元ブログ記事のコメントに、上記の辿り方について書き込みしました。元記事の作者から反応があるかもしれません。
後で、サイト内検索を使えば失敗プロジェクトも探せる、という補足が出ましたが、検索しようと思うのはそのプロジェクトを既に知っていて応援してた人ぐらいでしょうから、失敗プロジェクトを隠している、というのは確かでしょう。
さらに、失敗プロジェクトのページのHTMLソースを見ると、Googleなどの検索エンジンが失敗プロジェクトをインデックスしないような指定があり、検索エンジンからも失敗プロジェクトにはたどり着けないようになっていました。サイトの全体テーマと関連の薄いページをnoindexで外して刈り込みを行うようなSEOもありますが、Kickstarterでは失敗サイトを抱えていることをGoogle等にも見せないという設計なのですね。
Misenerさんは自分のブログで、「Kickstaterが邪悪な気持ちでこれをやっているとは思ってない。ただ、サイト設計として面白いことをしているなと思っただけだ」と述べています。「他人の失敗プロジェクトからこそ学べることも多いだろうに」とも。
Kickstarterの収入源は、プロジェクトが成立した際の売り上げからの手数料なので、失敗したプロジェクトからはまったく売り上げがたたないわけです。また、自分のプロジェクトをKickstarterで登録してみようかなという潜在的なユーザーには、失敗するイメージは見せたくないのかもしれませんね。サイトに出てくるのが成功したプロジェクトばかりなら、自分も成功するかもと思う確率は上がるかもしれません。そういう状況で、Kickstarterが失敗を隠そうとするのはビジネス的には自然なのかもしれません。競合はそこまで徹底した失敗隠しはしていないようなのですが、一番成功しているのはKickstarterですから、そういう姿勢がサービスを一番手に押し上げたのかもしれませんし。
一つ言えるのは、ウェブやソーシャルメディア以前の世界では達成できなかった、小口の意思を集めて新しい何かを達成する、というクラウドファンディングのキレイなお題目であっても、サービスを運営して料金を徴収していくなら、そこにはそのサービス自身の都合による意思が働く、ということですかね。

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