「データ可視化」カテゴリーアーカイブ

AgentMaps – 地図上で多数の人が動くシミュレーションを作るためのライブラリ

AgentMapsは、JavaScript 上で地図ベースの社会シミュレーターを作るためのライブラリです。

インタラクティブ地図作成のライブラリ Leaflet.js 上に構築されていて、

  • 道沿いに建物を建てる
  • エージェントを地図上に配置
  • エージェントの建物間の移動をスケジュールする
  • エージェントの見た目を変える

などができるということ。町の中を行き来する住人のモデルを作って、住人間でうつる病気とその伝染率を定義すれば、伝染病がどのように広まっていくか、あるいは一定の範囲でとどまるか、といったことをシミュレーションできます。

こちらのデモでは、人々の移動の速度や、病気の伝染しやすさのパラメーターをスライダーで変化させて、全体の様子がどうなるかを観察することができます。

ツールの使い道ですが、たとえば、イベントで多数の人が集まってきた時に出店や通路を人がどう動くか、とか、ゾンビ物のお話を作る時に、感染が広まる様子をシミュレートしてそれを基に書くとリアリティが高まったりするのかなあ、とか、どうでしょうね。

都市の道路が向いてる方角を調べられるインタラクティブ地図

Road Orientations Interactive Mapは、都市の道路の方角を円形のヒストグラムにまとめたインタラクティブ地図です。

360度を64分割し、それぞれの方角を向いた道路の長さをカウントしていくと、表示中の都市がどの方角に向いた道路をどれぐらい持っているか、が右上に表示されます。

東京都心部を表示すると、こんな分布に。どの方角にも同じぐらいの長さの道路が存在する、つまり、特に方角など気にせず、ランダムに近い方角に道路が伸びているというのがわかります。

対して、京都を表示してみるとこんな結果に。ほとんどの道路は東西・南北に向いていて、それ以外の方角に向いた道は非常に少なそう。

こちらは札幌。札幌も碁盤目の街という印象でしたが、こちらは京都と違って東西南北の向きには向いてないのですね。また、場所によって四方の方角が異なっていて、集計結果としては多い方角は8つ出てくるのがわかります。

右下の検索ボックスで、世界中のどの場所でも表示できるのがいいですね。

この地図、OpenStreetMap のデータを使ったMapboxのサービスを使って描画されています。表示されている地図の範囲の道路データから方角と距離を取り出し、集計するのはコンパクトな JavaScript で済んでいます。

# 作者はMapboxの中の人のようです

作者のウラディミール・アガフォンキンさん(Vladimir Agafonkin)は、アメリカの主要都市について同様の円形ヒストグラムをまとめたVizual Statistix の記事を見て、「地図の任意の都市について簡単に同じように調べられたらいいな」と思って今回の開発を思い立ったということ。

州境が違ってたらアメリカ大統領選の結果はこう変わっていた? という地図

Random states of Americaは、州単位で代議員数を奪い合うアメリカ大統領選挙の過去のデータを使った思考実験です。

アメリカの大統領選挙は、2大陣営(まれに第3陣営)が争う部分は簡単でわかりやすいものの、州ごとに争って州の代議員を勝った方が総取りするところはわかりにくく、実際に全得票が少ない方が勝ったりすることもありますね。

このインタラクティブ地図では、群の集まりからランダムに新しい州を作り、合衆国をその架空の州で分割しています。州の形が異なると、その州の中での民主党・共和党の強弱も史実とは別の結果になってしまったりして、得られた代議員の数も変わります。

# 州の名前は中に含まれる群の一つを使っているそうです。なお、首都ワシントン特別区・ハワイ・アラスカに関しては、他と孤立しているとしてそのまま使っています。

実際に結果大差がついたドール氏やケリー氏の負けが覆るようなことはありませんが、ランダムな区割りを何度か繰り返すと、アル・ゴア氏やヒラリー・クリントン氏が勝利していたケースが簡単に出てきます。

[追記] と思っていましたが、下のように最近6回とも民主党が勝っていた区割りも生成されました。区割りが選挙結果に与える影響は、かなり大きいんですね。

ただ、実際の選挙運動では、今ある州の中の情勢を見てどこに予算や応援などのリソースを投入するかを選択し、その結果として接戦州が多数出てきているわけで、もし本当にこのような州の再編があったとしても、そこで行われる大統領選の結果はこの地図で予測したようなものにはならないでしょうね。

この地図、群の集合から新しい州分けを提示する、というアイデアのところが面白いですね。日本でも市町村単位で組み替えて同様の県境を表示してみると、いつもの見慣れた列島がなんだか知らない別世界の国に見えたりするかもしれません。

via Maps Mania

ポテトチップスの空気量を調べたインフォグラフィックス

How Much Air is in Your Bag of Chips?(チップスの袋の空気量)は、14種類の有名なポテトチップスを購入し、その袋の中のどれぐらいが空っぽか、というのを計った調査と、その結果のインフォグラフィックスです。

59%が空気というチップスから、19%が空気というものまで、14品種のポテトチップスの空気の割合が並べられています。平均は43% ということで、スーパーでポテトチップスを買っても、半分近くは空気だということですね。

それぞれのパッケージの価格や内容量もあるので、空気が多いものが量が少ないというものではないでしょうけど、袋を開けてみてがっかりするのが嫌なら、空気率の低いブランドを選ぶのがいいのかもしれません。

測定方法は、同じ商品を2セットずつ買って、水に沈めて水位の変化でパッケージの体積を計測、次に空気を吸いだしたものを同じく水に沈めて計測、2回の平均を取った、ということです。

ヘンリー・ハーグリーブスさん(Henry Hargreaves)が2015年に同様の調査を公開していたそうで、今回のインフォグラフィックスも参考にしたそうですが、二つの調査結果を比べると、70%が空気だった2015年の調査からすれば、今回の空気の割合は43%と、だいぶ改善したようです。もし、これらの調査結果が報道されたことで、空気を増やし続ける動きにブレーキが掛かったのだとすれば、消費者にとっては良い調査でしたね。

via Bored Panda

Phantom Islands – 実は存在しない、とわかって地図から消えた島をまとめた世界地図

Phantom Islandsは、一度は地図に載っていたのに現在の地図からは消えてしまった、存在しなかった島を集めたインタラクティブ地図です。

「嘘の多かった探検家の手記から信じられ、一時は日付変更線がその島にあわせて変更されたりもしていた島」、「アメリカとメキシコの国境策定時に、有利に領海を得ようとメキシコが必死で確認しようとした島」など、それぞれの存在しない島の成立事情は興味深いです。

プトレマイオスの世界地図にあったインド沖のタプロバナ島があるなら、徐福伝説の蓬莱島も有ってもいいのかなと思いますが、あまりに古い時代の情報だと地図上の位置も元々あやふやだし、こういった地図の形に一緒にまとめるのは難しいかもしれないですね。

サイトは音が鳴るようになっていて、選んだ島の様子にあわせたBGMや、鳥や虫の鳴き声や、波や風の音が鳴ります。といっても存在しない島なので本当はそんな音は鳴ってないのですが。

via Maps Mania

超大陸パンゲア上での日本の場所を特定できるサイト

イアン・ウェブスターさん(Ian Webster)の制作したAncient Earth globeは、太古からの地球の大陸移動をブラウザ上で閲覧できるというサイトです。

昔の大陸の地図に、今の国境の線が引かれていて、2億年前の大陸のどの部分が、今どの大陸や島になっているのか、というのを追うことができます。右上の検索ボックスに”Japan”など地名を入れると、今その場所になっている当時の陸地の位置が表示されます。

# 学問的に今までわかっている範囲での予想、であることはもちろんですが

キーボードの左右のカーソルキーで、年代を移動することができて、これで連続で切り替えていくと、大陸がどのようにわかれて、今のような大陸の配置になったのか、が見て取れます。

ウェグナーの指摘した海岸線の形の類似しているところの人には興味深い大陸移動説やパンゲアですが、現在の地名や国名から太古の昔の位置を見ることができると、世界のいろいろな場所の人にとっても興味を喚起することができるかもしれないですね。

via The Verge