「ネットのサービス」カテゴリーアーカイブ

BarbBlock – ブラックリストを著作権違反で止めようとする組織をブロックするブラウザ拡張

盗用されたコンテンツを差し止めるための DMCA (デジタルミレニアム著作権法)という仕組みがアメリカにはあります。

YouTube などで、第三者が勝手に映画や音楽をアップロードしていたものを開いた時に「DMCA に基づいて」動画が観えなくなっていたりするので見覚えがあるかもしれません。

本来の権利者がコンテンツを守るために DMCA に従って取り下げ請求をするのは正しい使い方なのですが、世の中には自分が気に入らない情報をウェブから消すためにこの DMCA 請求を濫用している人たちというのもいます。

自分たちのドメインが掲載されているウェブ上のブラックリストに対して、DMCA の方式に従って「著作権侵害だ」と訴えることで、ホスティングサービス等がとりあえず掲載を止める、ということが実際に起こっているそうです。本当に侵害している場合もありますから、サービス側は掲載者に確認するまで止めざるを得ない、それを利用しているわけです。

BarbBlock は、そんな DMCA の濫用者のドメインをブロックするというブラウザ拡張です。ChromeWeb Extension 形式で Firefox に対応し、またテキストのリストも公開されていて AdBlock Plus など外部のブラックリストを読み込める拡張で(新たに別のブラウザ拡張をインストールしなくても)使うこともできます。すべてのソースコードも Github で公開されています。

BarbBlock の作者は、「ブラックリストに対して DMCA で公開を止めようとする時点で、濫用者である」という考え方でこのブラウザ拡張を制作公開したようです。

ちなみに、BarBlock の名前は、ストライサンド効果の名前の由来となった女優のバーバラ・ストライサンド氏から来ています。「ウェブから消そう消そうとするほど逆に広まってしまう」というストライサンド効果で、DMCA を濫用する者たちの行動を止めようというわけ。

これが正しいか意味があるかとかはともかく、コードを使った社会運動の一種と言えそう。実際にこの拡張をインストールする人がそんなにいるとは思えませんが、ブラックリストを止めようとしたらこっちのブラックリストにもドメインが増えちゃうわけで。

via Hacker News

ウィキペディアが昔懐かしいテキスト・アドベンチャーに

ケヴァン・デービスさんが公開した Wikipedia: The Text Adventureは、ウィキペディアの情報を元に世界中を回れる1980年代風テキスト・アドベンチャーゲームです。

タイトルからWikipediaにある地名で検索すると、その場所がゲームの開始地点となります。”Tokyo”だとこんな感じ

英語版ウィキペディアのTokyoにある写真が、8bit風の荒い画像に変換されて場面表示されていますね。”Tokyo”の場合は、5枚の写真を組み合わせた画像なので、なんだかわからないことになっていますが。

ゲームプレイは、Zork などのテキストアドベンチャーでおなじみ、テキスト入力です。”go north”(北へ行く)とやると、東京から北の座標を持つ別のウィキペディアの項目に移動できます。なぜか「西新宿五丁目駅」

東西南北や斜め方向へ移動でき、新しい場所ではそのウィキペディアの項目を元に今の場所が説明されます。元の方向に戻ろうとしても必ずしも前いた場所には戻れなかったりする理不尽さもあります。

> examine tower

など、examine(詳しく調べる)コマンドを使うと、その場所にあるもの(もないもの)も調べられて、Wikipediaから引っ張ってきた情報を使って何かしら返してくれます。take コマンドで拾えますし、inventory コマンドで持ち物の一覧を見ることもできます。


(東京タワーを調査して拾ってみた)

focus コマンドで8bit化される前の元画像を表示したり、wiki コマンドでウィキペディアの元ページを開いたりもできます。このあたりは help で出来ることを調べられますが、そのあたりも昔のアドベンチャーゲームそのままですね。

share でツイッター共有のリンクが出てくるのは昔無かった今風の機能でしょう。

ゲーム内容はウィキペディアの膨大な項目データを使って機械的にその場で生成されているため、テキスト・アドベンチャーとしては史上最大の広がりを持っていると言えるでしょう。今はそこにストーリーもゴールもありませんが、もう少し技術が進歩すると、ちょうど良いトリックや謎、目的やゴールなどまで生成できるようになったりするのかもしれません。

via PC Gamer

中世ファンタシーの城郭都市を生成するジェネレーター

小さな町から大きな都市まで、中世ファンタシーに出てくるような架空の町の地図を作ってくれるというジェネレーターです。

こちらは小さな町。城、市場、商人街、職人街、場外の農場、などが毎回違う配置で生成され、マウスのホバーで種別を確認できます。

大都市になると、為政者、貴族やスラム街などの場所も生成されます。

Haxe言語で動くOpenFLフレームワークで制作されており、今後も改良を続ける予定ということです。

via reddit/proceduralgeneration

Listly – ウェブページからデータを抽出してExcelファイルにしてくれるサービス

Listly は、ウェブページのスクレイピングをお手軽にしてくれるサービスです。

フォームに抽出したいサイトのURLを入れて、Listyボタンを押すと、

ページ内の構造から、リストを抽出してくれます。抽出に使ったCSSセレクタを表示してくれてるので、これをコピーして使うもよし、”Excel”ボタンを押すと、エクセルファイルでダウンロードもできます。

何回も繰り返すような作業ならプログラム化すると思いますが、一度しかやらないとわかっている抽出作業などでは、特に便利なのではないでしょうか。

また、未実装ですが”Scraper”というボタンを見ると、繰り返し抽出を行うためのブックマークレットか何かを生成してくれる予定があるようです。APIも開発中とか。

同様のものにImport.ioというサービスが先行であり、機能的にも強力なのですが、こちらは月$199(2万2060円) からの有料サービスとなっています。Listly もユーザーが増えればいずれはお金を取りそうではありますが、今のところは登録等なく利用できます。

via Hacker News

英語の求人文章から「男性的」「女性的」な表現の偏りをチェックしてくれるサイト

イギリス内閣府とNPO団体 の共同運営するAppliedは、ジェンダー差別や人種差別を廃し、公正で多様性のある採用ができるような支援機能を多数持つ求人サイトだそうです。

そのような機能のうちの一つ、あなたの書いた求人の文章のジェンダーバイアスをチェックしてくれるオンラインツールは、デモとして無料公開されています。

試しに、ネットに公開されているシニア・プロダクトマネージャー募集のサンプルを与えてみたところ、こんな判定が出てきました。

男性的(masculine)と判定された単語は、

  • leader (リーダー)
  • confident (自信いっぱいの)
  • analyze (分析する)
  • lead (リードする)
  • leadership (リーダーシップ)

女性的(feminine)と判定された単語は

  • responsibilities (責任)

求人広告に書かれた文章は、その職務のことだけでなく、企業組織やその文化についてのヒントを応募者に与え得るそうです。Applied は、男性的な言葉ばかり並べた募集の文面は女性の応募を遠ざけ、結果的に多様性の無い組織を作ってしまう、と主張しています。求人を書くときに、無意識にどちらかの性の人物を想定して、言葉を選んでしまっていないか、ということでしょうね。

他にも同様の注意を呼び掛けているサイトはあり、バイアスの少ない文章が求人で重要、という考え方はAppliedだけの発想ではなさそうです。

サービスは最低プランが無料から始まるフリーミアムで、ユーザー1人で使うだけなら無料である程度使えるようです。

海外に支店があったり、グローバライズした製品やサービスを売ったりしなければいけない日本企業では、英語で求人しなければいけない、という状況もあるでしょう。英語で正しく文章を書くだけでも大変ですが、文章に含まれる微妙な偏りや差別については、文法的な正しさとはまた違った知識や経験が必要そうですし、このようなツールに一回かけてみて、あまりに一方的な判定結果が出た場合はちょっと考えてみる、というのは安全のためにもいいかもしれないですね。

via New Scientist

Sideways Dictionary – IT用語を「比喩」で説明するみんなで作る辞書サイト

Sideways Dictionary (斜めに見た感じの辞書)というサイトは、一般の人にはわかりにくいIT用語を、何かに例えることで説明しようという辞書サイト。Googleの兄弟会社Jigsaw のプロジェクトです。

トップからは、70個ほどの用語がアルファベット順に並んでいて、クリックするとその用語の説明文が閲覧できます。


Access Control List(アクセス制御リスト)を選んでみます

それはソフトウェア版の Turnstile (回転式改札口) みたいなもの。あなたに権限があれば、進むことができる (by Nick Asbury)


By User:ArnoldReinholdOwn work, CC BY-SA 3.0, Link

「by 名前」とあるように、ここにある比喩の説明はすべてユーザーの投稿によるものです。”More Analogies”をクリックすると、他にもACLを説明しようとするいろいろな比喩を読むことができます。

5件の中で一番イイネが多かったのがこちら。

それはパーティーのゲスト表みたいなもの。招待状を持ってこさせる代わりに、招待側が入口ドアのところでリストを見ながら、入れてもいい人をチェックする責任を持つ。どんな素晴らしいパーティーだとしても、招待者をおだてて侵入したり、どこかの他人に招待の権利を渡すことはできない。

他の用語も見てみます。

「ビットコイン」は、ティンカーベルのようなもの。たくさんの子供が信じた時だけ彼女は存在できる。ビットコインも、たくさんの信じる人がいて初めて意味を持つ。同じ話はすべての通貨に対して言えるけれどもね。

ゼロデイ」とは、キングが丸裸だと気づいたチェスのようなもの。あなたは対戦者がそれに気づかないよう息を殺し、どうやって防御を固めようか考え始めたところ。最悪のシナリオでは、相手は5手前にはもうそのことに気づいてて、あなたのことをもてあそんでいるのかもしれない。チェックメイト。

それぞれの用語に複数の比喩があり、読み比べることでより対象のIT用語の意味するところがわかってくるかもしれません。また、IT用語の方が把握できているエンジニアなら、逆に比喩に出てきた方の概念やその英語表現を学べるでしょう。

比喩を使うことで本質から外れて行ってしまう、ということもネットの議論などでは良く起こることではありますが、みんなで意見を持ち寄って並べることで、まったくITに疎い人にでもある程度伝わるような比喩を見つけていくことはできるのかもしれませんね。

via The Next Web