「ネットのサービス」カテゴリーアーカイブ

英語の求人文章から「男性的」「女性的」な表現の偏りをチェックしてくれるサイト

イギリス内閣府とNPO団体 の共同運営するAppliedは、ジェンダー差別や人種差別を廃し、公正で多様性のある採用ができるような支援機能を多数持つ求人サイトだそうです。

そのような機能のうちの一つ、あなたの書いた求人の文章のジェンダーバイアスをチェックしてくれるオンラインツールは、デモとして無料公開されています。

試しに、ネットに公開されているシニア・プロダクトマネージャー募集のサンプルを与えてみたところ、こんな判定が出てきました。

男性的(masculine)と判定された単語は、

  • leader (リーダー)
  • confident (自信いっぱいの)
  • analyze (分析する)
  • lead (リードする)
  • leadership (リーダーシップ)

女性的(feminine)と判定された単語は

  • responsibilities (責任)

求人広告に書かれた文章は、その職務のことだけでなく、企業組織やその文化についてのヒントを応募者に与え得るそうです。Applied は、男性的な言葉ばかり並べた募集の文面は女性の応募を遠ざけ、結果的に多様性の無い組織を作ってしまう、と主張しています。求人を書くときに、無意識にどちらかの性の人物を想定して、言葉を選んでしまっていないか、ということでしょうね。

他にも同様の注意を呼び掛けているサイトはあり、バイアスの少ない文章が求人で重要、という考え方はAppliedだけの発想ではなさそうです。

サービスは最低プランが無料から始まるフリーミアムで、ユーザー1人で使うだけなら無料である程度使えるようです。

海外に支店があったり、グローバライズした製品やサービスを売ったりしなければいけない日本企業では、英語で求人しなければいけない、という状況もあるでしょう。英語で正しく文章を書くだけでも大変ですが、文章に含まれる微妙な偏りや差別については、文法的な正しさとはまた違った知識や経験が必要そうですし、このようなツールに一回かけてみて、あまりに一方的な判定結果が出た場合はちょっと考えてみる、というのは安全のためにもいいかもしれないですね。

via New Scientist

Sideways Dictionary – IT用語を「比喩」で説明するみんなで作る辞書サイト

Sideways Dictionary (斜めに見た感じの辞書)というサイトは、一般の人にはわかりにくいIT用語を、何かに例えることで説明しようという辞書サイト。Googleの兄弟会社Jigsaw のプロジェクトです。

トップからは、70個ほどの用語がアルファベット順に並んでいて、クリックするとその用語の説明文が閲覧できます。


Access Control List(アクセス制御リスト)を選んでみます

それはソフトウェア版の Turnstile (回転式改札口) みたいなもの。あなたに権限があれば、進むことができる (by Nick Asbury)


By User:ArnoldReinholdOwn work, CC BY-SA 3.0, Link

「by 名前」とあるように、ここにある比喩の説明はすべてユーザーの投稿によるものです。”More Analogies”をクリックすると、他にもACLを説明しようとするいろいろな比喩を読むことができます。

5件の中で一番イイネが多かったのがこちら。

それはパーティーのゲスト表みたいなもの。招待状を持ってこさせる代わりに、招待側が入口ドアのところでリストを見ながら、入れてもいい人をチェックする責任を持つ。どんな素晴らしいパーティーだとしても、招待者をおだてて侵入したり、どこかの他人に招待の権利を渡すことはできない。

他の用語も見てみます。

「ビットコイン」は、ティンカーベルのようなもの。たくさんの子供が信じた時だけ彼女は存在できる。ビットコインも、たくさんの信じる人がいて初めて意味を持つ。同じ話はすべての通貨に対して言えるけれどもね。

ゼロデイ」とは、キングが丸裸だと気づいたチェスのようなもの。あなたは対戦者がそれに気づかないよう息を殺し、どうやって防御を固めようか考え始めたところ。最悪のシナリオでは、相手は5手前にはもうそのことに気づいてて、あなたのことをもてあそんでいるのかもしれない。チェックメイト。

それぞれの用語に複数の比喩があり、読み比べることでより対象のIT用語の意味するところがわかってくるかもしれません。また、IT用語の方が把握できているエンジニアなら、逆に比喩に出てきた方の概念やその英語表現を学べるでしょう。

比喩を使うことで本質から外れて行ってしまう、ということもネットの議論などでは良く起こることではありますが、みんなで意見を持ち寄って並べることで、まったくITに疎い人にでもある程度伝わるような比喩を見つけていくことはできるのかもしれませんね。

via The Next Web

Snakisms – ヘビゲームで哲学を表現

SNAKISMS は、古き良きテレビゲームの一つであるヘビゲームをベースに、様々な哲学論・主義(ism)をテーマとしたバリエーションをつけたブラウザゲームです。

最初に、どのイズムで遊ぶかを選ぶと、そのイズムを表現したヘビゲームが始まります。

メニューの種類は上から以下の通り

  • anthoropomorphism (擬人化) リンゴも動く
  • apocalypticism (黙示信仰) 突然の終わり
  • asceticism (修徳主義) 欲望は悪、食べないと点
  • capitalism (資本主義) リンゴだってタダじゃないんだ
  • casualism (偶然論) すべては偶然(?)
  • conservatism (保守主義) オリジナル
  • determinism (決定論) 未来はすべて決まっている
  • dualism (二元論) カーソルは蛇の体を操るが、蛇の心を操るのは心
  • existentialism (実存主義) Wikipedia見たけどわからない
  • holism (全体論) すべてが蛇と一緒に動く
  • idealism (観念論) ヘビゲームを遊んでいると思え
  • monism (一元論) ヘビが神
  • narcissism (自己中心主義) ゲーム終了で新タブが開く(?)
  • nihilism (虚無主義) 蛇もりんごも何もない。メニューに戻ることすらできない
  • optimism (楽観主義) 世界はりんごだらけ。食べても成長しないが
  • pessimism (厭世主義) 世界は閉じていて、りんごはどこか他所に
  • positivism (実証主義) 見えているものしか信じない
  • post-apocalypticism (終末後主義) 荒廃した世界
  • romanticism (ロマン主義) りんごを食べるたびになんか立派なことを言う
  • stoicism (禁欲主義) 壁で死なない(?)
  • utilitarianism (功利主義) トロッコ問題(5人助けるなら1人死ぬのは可)

Hacker NewsのコメントやWikipedia から、なんとなくそれぞれの主義がどういうものか、それが各ゲームのシステムにどう反映されているか、わかったようなわからないような。

via Hacker News

Non Ad Block – 広告だけ表示してコンテンツを隠すブラウザ拡張

ウェブサイト上の広告を表示させないようにする、いわゆるアドブロック拡張はいくつも存在しています。

広く一般ユーザーに普及してるというほどでもないでしょうが、広告収入で運営しているウェブサイト・サービスの中にはこういったツールで広告を非表示にしているユーザーに警告したり、アドブロック拡張を入れてるユーザーを逆にブロックしたりしているところもあります。

Chrome拡張機能の Non Ad Block は、アドブロックの正反対をする拡張で、ウェブサイトから広告ではないものをすべて隠し、広告だけを残します。

通常表示がこんな風なサイトも、

拡張を入れればこんな風に

邪魔な本文に引っかからずに、純粋に広告だけを楽しむことができます。

ぼやかされた本文のリンクも、読めないだけでクリックは可能です。

ソースコード(現在配布中の v1.0.0.1 には、危険なコードは入っていないと思います。ブラウザ拡張の常で将来の更新では保証できませんが)では、ページ上のCSSクラス等をホワイトリストで探して見えるようにしているだけなので、いかにも広告というクラス・タグ名を使っていないサイトではうまく動かず、ページ全面がぼやけてしまうこともあるようです。

そういう意味では、日本語由来のクラス名を使っていたりもする日本のサイトでは、広告の部分がちゃんと引っかからずにあまり面白い結果にならないことも多いのが残念。

アドブロックとこのノンアドブロックの両方を入れてみたところ、みごとに何も読めなくなりました。当たり前か。

via Stupid Hackathon

Facedate – 「好みのタイプ」の顔写真を何枚か与えると似てるメンバーを紹介するデートアプリ

ニュージャージー工科大学(NJIT)のコンピューター科学部長にして教授の指導のもとに大学院生たちが開発したという新たなデートアプリ Facedate は、顔認識と類似画像判定を組み合わせた新しい特徴を持っています。

まず自分の写真をアップロード。

そして、自分の好みの顔写真をいくつかアップロードします。俳優とかアイドルとかの写真を持ってくるんでしょうかね。

すると、登録された相手の中から、アップロードした写真に似た、つまり自分の好みに似ている人を探して紹介してくれる、という仕組み。(あと、実際に会えないと意味が無いので近所から探すようにもなっているそうです。念のため)

「多くの既存のサービスは、文章で好みを記述していましたが、顔の好みについてはうまく扱えていませんでした」とは教授のお言葉。

「芸能人で言うと誰それに似てると言われます」みたいな文章よりは、公平な判定が下されたりするのかもしれません。

このFacedate、Androidでのプロトタイプ版をクロースド運用中ということ。その後は大学での運用、そしてAndroid/iOS版の公開を検討中と。

via 論文 via The Verge

シリコンバレー起業を体験できるブラウザゲーム The Founder

The Founder(創業者)は、アメリカでのIT起業を2001年に遡って追体験できるブラウザゲームです。Francis Tsengさんにより、Kickstarter で寄付を集めて作成され、公開されました。

社名、業界(ハードウェアかソフトウェアか)、製品の種類、などを決めて、まずは人を雇わないといけません。

人を雇うこと一つとっても、口コミや知人づての紹介、リスティングサービスやエージェントなど多数の方法が有ります。もちろんコストや応募者の質も違います。

応募者に対して、相手を見て「今なら業界トップになれる!」とか「世界を動かそう」とか響きそうな口説き文句を選び、正しく選ぶと給与が少なくても入ってくれる確率が増えたりします。

そして、コーヒーサーバー、ビールサーバー、卓球台などのPerkの購入。社員のモチベーションを見ながら、オフィスも増強しないといけません。

定期的に、マーケットでの争いが入ってきます。これはマーケットを表したボードゲーム上で、自分の製品を示すコマを動かし、実入りの大きな地点やインフルエンサーを獲得しつつ、競合とも戦ってシェアを増やしていきます。

獲得したシェアに応じて次期の収入が決まります。その収入を使ってまた人を増やし、設備を増やし、開発できるジャンルを増やし、プロモーションを企画し、と様々な手を打つ必要があります。

規模を拡大して製品やプロモーションを強くしないと、次々登場してくるライバルに負け、収入が伸び悩んだり、悪くすると減ってしまいます。負のスパイラルに入るとじり貧で、解雇や設備の縮小、新製品の開発に人が回せなくなったりもします。

サーバーが攻撃を受けて、秘匿情報が流出してしたり。急いでサーバーのセキュリティ改善に人を割り当てないと。

数年目には投資家からのパフォーマンスチェックが始まります。

やらなきゃいけないことが山積みで、次々とトラブルが起きて対処するところなど、創業ベンチャーを良く表しているのかもしれません。

ゲーム自体は決してシリコンバレーの起業文化を礼賛したという感じではなく、すべてをうまくこなして巨大な成功を収めるためには、あくどい手段や人の切り捨てなども必要になりそうです。実現性の低い分野でのフカしや、ロビー活動を通しての政治力の行使といったオプションもあるそうです。

シリコンバレー起業文化への批評的な皮肉も溢れていますが、ゲームを体験することで起業環境やそれを取り巻くさまざまな要素に関する知識を得られるという効果もありそうです。

via Co.Design