「ネットの事件」カテゴリーアーカイブ

「機械に解雇された」人の体験談

The Machine Fired Meは、イブラヒム・ディアジョさん(Ibrahim Diallo)がブログに綴った、突然会社から解雇された時の体験談です。

3年契約で半年以上働いていた会社で、突然以下のようなことが起こったということです。

  • ある朝、現職を紹介してくれた転職業者から「大丈夫か?」とメッセージ
  • 社員証がオフィスの入り口でエラーになった(なじみの守衛に通してもらった)
  • 翌日、駐車場のゲートが社員証で開かない(係員のカードで入った。翌日からはUberで通勤に)
  • 上司に壊れた社員証の再発行を依頼。臨時の当日社員証を印刷してもらう
  • JIRA にログインできなくなる。同僚は入れて、自分のユーザー名に(inactive)と表示されてることに気づく。上司は驚き、アカウントの復旧をどこかへ依頼
  • 転職業者から「あなたが解雇されたというメールを受け取った」と連絡
  • 翌朝、臨時社員証が発行できなくなった、と守衛に言われる。上司下まで迎えに来る
  • 部長に「自分は解雇されたのか?」と訊く。部長は笑ってどこかへ電話、今日中にはすべて直ってるので仕事するように、と
  • 自席のWindowsが自動で再起動され、ログインできなくなった。仕事用のCentOSマシンで作業する
  • 部長は「明日も出社するように」と言ってくれたが、翌朝は自分のLinuxマシン以外のあらゆるアカウントにログインできなくなる
  • ランチ時に、顔なじみの守衛2人がやってきて、無理やり社外に追い出される
  • 上司も部長も、ディアジョ氏を建物外へ出せ、という脅しのようなメールを受け取る
  • 続く三週間、自宅から上司や部長よりもっと上の人たちがやりとりするメールの議論をCCで受け取り続けるが、誰もこの問題を解決できない

3週間経った後で、転職業者から「また出社できるようになった」と連絡を受けますが、3週間家にいた分の給料は無し。

会社の説明では、一度解雇プロセスに入ってしまうと、システムが次々と解雇のための手続きを自動的に進め、カードを無効にしたりアカウントを止めたりするようになっているということ。一つの処理が次の処理を呼び出し、途中で止めることはできなくなっていると。

止められたアカウントを復旧する方法もないので、ディアジョ氏は「新しい契約社員」として採用されなおすことに。最初の入社時に書かされたあらゆる書類を、もう一度書く羽目になったそう。

解雇のプロセスが決して止まらない自動作業だったことは置いておくにしても、なぜそれが誰も問題にしていないディアジョ氏に襲い掛かったか、という点については、採用直前にこの会社がより大きな会社に合併された際の、レイオフされた前任のマネージャーの作業放置の結果、ではないかということだそうです。

ディアジョ氏は結局、良く貢献もし周りから感謝もされていた職場で、捕まった泥棒のようにビルから追い出されるという体験をしました。その影響で、なぜそんなことになったかという経緯を周囲に説明したり、一部の人たちからは距離を置かれたりしたりして、最終的にはしばらくしてその会社を退職、今の会社に移ってしまいました。

昨年身の上に降りかかったこの一連の体験をやっと落ち着いて話せる気分になったそうで、今回ブログで公開した、ということです。

What I called job security was only an illusion. 安定した職業、だと思ってたものは幻影に過ぎなかった

と結ぶ彼の話、会社員にとっての一つの悪夢でしょうね。

via BBC and TheNextWeb

カーディーラーで、顧客が「あなたはロボットではないですね?」と訊かれる事案発生 アメリカ・フロリダ州

フロリダの西パームビーチのカーディーラーで、Fiat の新車を買うことにしたマルシ・ロビンさん(Marci Robin)が、膨大な購入資料をサインするなかで「あなたはロボットではないですね?」という「紙」に「ペン」でサインさせられるという事件が発生したそうです。

ディーラーの担当者は対面で次々と必要書類を出してきて、「この書類はナントカのため」と短い説明をする中で、この reCAPTCHA をプリントアウトしたような(というかそのものですね画像からすると)紙も出し、「これはあなたがロボットでないことをはっきりさせるためのものです」と説明したということ。「まじで?」「ええまあ」という短いやりとりの後、それに従ってチェックを入れて返したということですが。

フロリダの方では精巧な人型ロボットが車を買いに来たりして問題になってるのかというと、まだそういう事ではなさそうですね。

ニュースを報じたJalopnikはディーラーの方にも取材しており、このディーラーではすべてのお客に対していつもこれを行っているということ。オンラインシステムに担当者が入力をしながら手続きを進めているのですが、その際に画面に reCAPTCHA が出てくるので、これも印刷し、顧客にチェックしてもらっているそうです。

取材に応じた担当者は、「(個人的には)もしロボットがソーシャル・セキュリティー・ナンバー(マイナンバーみたいなもの)と身分証明書を持ってきたなら売っちゃいますね」とも答えたということ。reCAPTCHA のプリントアウトにチェックさせる現在の手順に関しても、「(Amazon)アレクサとか、電話できて必要事項を話せる女の子もいるでしょ。今後どうなるかなんてわかりませんから」と弁護したそうです。

via Jalopnik

学生の小論文を代筆してくれるサービスがYouTuberで宣伝しすぎてBBCに見つかる

宿題の小論文を代わりに書いてくれる、という EduBirdie というサービスがあるそうです。

どんな感じで小論文を発注できるのか、注文画面を見てみました。

「推薦入試用」「研究」「ビジネスプラン」「書評」などから種類を選び、書くタイトルと分野を指定します。

分量(ページ数/単語数)、納期(短いと高くなるんでしょうね)、一から書くか・既存の何かをリライトするか・編集だけ頼むか、他の論文をどこから何本参照するか、関連する画像や図などがあればそれらもアップロードし、送信すると、この注文を受けたいという代筆者達が料金を提案してくる、という仕組みですね。

YouTuber を多数起用したプロモーション

BBC が先日報じたのは、この EduBirdie をいろいろな有名 YouTuber が動画の中でオススメしている、という現象。BBC が調べただけでも250名以上が動画の中で EduBirdie を薦めていて、これらはたぶん EduBirdie からお金が出ている動画内宣伝なんでしょうね。

それらの宣伝コーナーの動画を、EduBirdie の公式ツイッターアカウントが再利用して紹介したりもしているので、どんな感じのオススメがされているのかを確認できます。

https://twitter.com/edu_birdie/status/961233073592512512

だいたい言ってることは同じですね。書けない小論文をあなたに代わって書いてくれる。オススメ。チェックしてみなよ、という流れ。ある程度の台本がありそうです。

@edu_birdie の過去のツイートを見ても、小論文の書き方に関するブログ記事を書いたり、いろいろなネットのプロモーション手法を試していて、ああ仕事熱心だな、という印象を受けました。熱心にやりすぎて今回大騒ぎになったわけですけど。

BBCの報道後、YouTube が動画を削除しだす

YouTube がこの話題に反応して、EduBirdie の宣伝を含む YouTuber 達の該当する動画を閲覧不能にしてまわっているのはちょっと意外でした。EduBirdie も BBC も言ってますが、違法ではないですからね。YouTube 側のコメントによると、小論文代筆サービスの宣伝は YouTube のポリシーに反するんだそうです。

子供が宿題でズルをするのは良くないことだし、Q&Aサイトでもそういうあからさまな「あ、これは子供の宿題だな」とわかるような質問が有っても、そういったズルい行為をたしなめるような大人の回答がついたりもします。ポルノやプライバシーなどいろいろな問題について「何を消せて何を消すべきでないか」という議論がよく起こっている YouTube でも、学校の課題を代わりにやってくれるサービスに厳しくすることに、あまり反対の声は上がらないのでしょう。

類似のサービス、いろいろありそう

ちょっと調べてみても、SpeedyPaper.com, Edusson, EssayVikings.comなど、類似のサービスがたくさんありますね。

# どれも良く似ているので、全部裏でつながってるとかいうこともあるのかもしれません

EduBirdie は学生の宿題を肩代わりすることに特化しているサービスですが、Upwork のような一般的なクラウドソーシングサービスでも、廉価で文章を書いてくれるプロやセミプロはたくさんいるわけです。専門サイトの形だからこそ宣伝効果も高く、もしかしたら学生の間でも口コミで広まったりするのかもしれませんが、本当にずるい学生なら、一般向けのクラウドソーシングサイトで、仕事の発注であるかのように論文を書かせたりしているかもしれないですね。

アメリカが滞在ビザ発行に個人のSNSアカウントを要求する動き

TheNextWeb のレポートによると、アメリカの官報で非移民向け査証の発行にあたって収集する情報を追加しようとする公告本日掲載されたそうです。

アメリカ国務省領事局のこの提案では、移民ではない滞在者ビザの申請フォームで、「過去5年間に利用していたソーシャルメディアのアカウント名」を記入させようとしています。その利用目的は「本人確認」や「事前調査」のためということ。

他に、過去5年間の電話番号、メールアドレス、海外渡航歴、どこかの国から退去させられたことがあるか、親戚にテロリストがいるか、なども訊ねるということ。親戚にテロリストがいる人が申請書にそう書くかなあ。

公告はこれから60日間の提案期間に入り、その間パブリックコメントを募集するということです。

しかし、Facebook や Twitter のアカウント、誰も強制されているわけではないので、「持ってません」「使ってません」と言えばそれで終わりのような気もします。アメリカで Facebook の登録率がたいへん高いのは知っていますが。

そして、こんな情報を集めて、本当に Facebook の履歴などを調べるつもりなんでしょうかね?

中国版ツイッターWeiboで”N”が検閲される

中国数字時代(中国数字时代, China Digital Times)によれば、中国版マイクロブログのWeibo(新浪微博)でアルファベットの”N”が発信できない状況が発生していたということです。

中国国家主席の任期制限撤廃が、現在の国家主席習近平氏の専制化につながるのではないか、というニュースが中国以外の各国のメディアで報じられています。中国国内のネットでは、習氏を揶揄する「ディズニー」「くまのプーさん」などの単語が検閲され書き込めなくなったり、法改正とか皇帝即位とか終身制とかにあたる単語も使えなくなっているそうです。

米国カリフォルニアで活動する中国数字時代は、Weiboなどでのこの検閲の実態をウォッチしているメディアです。最新の記事
微妙な言葉: 習氏は王座へ登る」では、新たに検閲対象となった多くの単語の中に、アルファベットの”N”が含まれていると報告しています。

上は、中国数字時代のSeverdia氏による、Weiboのスクリーンショット。「移民」、「N」、「終身制」などと打とうとすると、「コンテンツは違法です」というエラーが出ています。

なぜ「N」とつぶやけなかったか、本当の理由はわかっていないのですが、こちらのブログでは、今回3選や多選に道を開いた変更に関連して、「在任n期」(连任n届)という表現が(出る|出た)ことを嫌って起こったのでは、という推理をしています。

# だったら 3期, 4期… と具体的な数字を入れて規制すればいい気もするのですが

ただ、この”N”の検閲は観測してから半日以内で解除になったということ。単に検閲プログラムの設定を間違えた可能性もありますね。

今回この記事から知ったのですが、中国数字時代ではGoogle Spreadsheet で Weibo で検閲対象になっている言葉を収集したデータベースを作成・公開しています。

古くは2011年からのデータがあり、”N”のように二度目の観測で検閲が解除されたようなものもごく少数ありますが、マイクロブログでつぶやけない単語はかなり多くあり、それが最近も増加を続けているというのがわかりますね。

仮想通貨発行元「仮想通貨プレゼント当選者は以下のみなさんです」仮想通貨発行元「やった当たった!」

仮想通貨ウォルトン(WTC)の発行元ウォルトンチェイン(Waltonchain)が、仮想通貨が無料で貰えるプレゼントキャンペーンの発表で大きな失態を演じたそうです。

Waltonchain 「おめでとうございます! バレンタインデーの$WTCを貰おうキャンペーンの当選者の発表です。」

Waltonchain 「やった! まさか当たるなんて! ありがとうウォルトン! これからも頑張って」

フォロワー 「????」

公式が当選の喜びの声を上げた! どうして?

どう考えてもインチキとしか思えないですね。当選者となる身内のニセアカウントを用意しておいて、そこを当選させれば一銭も掛からずに宣伝ができるというわけ。

この喜んだ方の公式ツイートはすぐに消されたようですが、スクリーンショットが複数のユーザーによって撮られていて、あっという間に広まってしまいました。

Waltonchain は以下の公式声明を出します。

「(略)抽選はスクリプトで公正・ランダムに行われました。(中略) このチームメンバーはたまたま抽選に参加しており、間違ったアカウントで喜びをつぶやいてしまいました。チームメンバーの参加は禁じていますのでこのメンバーの当選は無効します。ほんとうにすいませんでした」

公正な抽選の「証拠」として、
インスタグラムで「公正な抽選の様子」なる動画を公開しましたが、

video of the winner selection script Congratulations!

A post shared by Waltonchain (@waltonchain_official) on

こんなの、こういう表示をするスクリプトを書けばいくらでも作れちゃうと思います。

まあ仮想通貨に固有の話ではなく、こういう自作自演の失敗はこれまでも繰り返されているのですが、それにしてもひどい話ですねえ。

via reddit