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実験「インスタグラマーは作れる」 影響力のある人気アカウントが$300以下で

Mediakix が Instagram の人気アカウントを人工的にでっちあげるという面白い実験結果を公表しています。

今回彼らが作り上げたイイ感じの Instagram アカウントがこの二つ

ファッション・インスタグラマー

アレクサ・ラエさん(calibeachgirl310)は、「サンタモニカ在住でファッションとライフスタイルに関して影響力を持つ」という設定。

実際に載っている写真は、ローカルモデルを雇って一日で撮り上げたもの。

旅行インスタグラマー

アマンダ・スミスさん(calibeachgirl310)は、「旅行と写真に関して影響力を持ち、パリやヨセミテ、マウイ島など世界各地で撮った写真を投稿する」という設定。

こちらの写真は、後ろ姿で映った金髪女性をストックフォトサービスで集めたもの。

フォロワーの購入

一日も掛からずフェイクアカウントの見栄えを完成させたあとは、用意した写真を毎日小出しに投稿しながら、フォロワーを1000人あたり$3(340円)-$8(908円) で購入していきます。フォロワーを売っているサービスはいくつもありますが、安めのサービスは納期を守らなかったりと問題があり、最終的には$8(908円) /1000人程度の値段のサービスで落ち着いたということ。

一日に1000人で始めたのは、あまりに多すぎると運営に気づかれてアカウントを停止されてしまうことを恐れてだそうですが、やってみたところ一日15000人の増加でも大丈夫そうだ、という知見が得られたそうです。

2か月かけて、ファッションアカウントは5万人、旅行アカウントは3万人のフォロワーとなりました。

Surf's up

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いいねとコメントの購入

フォロワーが数千人を超えたあたりから、「いいね」と「コメント」の購入にも着手しています。コメントの価格は一個あたり12セント、いいねは1000個あたり$4(454円)-$9(1021円) で買えたそうです。

安いコメント業者は写真の公開からコメントをつけるまでに24時間かかったそうで、価格が上がればより早く反応があるように見せられるんですね。

一枚の写真に対して、いいねが500-2500個、コメントが10-50個ぐらいつくようにしているそうです。

# コメント欄を良く見ると、たしかに何も言ってないような単純なコメントがいっぱい並んでるようにも見えます。が、本物のコメントでもそういうのばっかりの場所もありますからね…

インフルエンサープログラムへの参加

フォロワーが1万人を超えたあたりから、様々なインフルエンサープログラムに登録することができるようになるそうです。「影響力があるインスタグラマー」と認められることで、プログラムから各種ブランドの宣伝依頼が降ってくるようになります。

今回の実験アカウントでは、それぞれのアカウントで2社の有料宣伝依頼をゲットすることに成功した模様。ナショナルクライアントのアルコールや食料品に関するブランドで、支持に従って行動することで、金銭の報酬や商品の無料提供、あるいはその両方を受け取れることになったそう。食品が無料で貰えるのは、それを写真に撮ってアップロードしろということでしょうね。

現在この二つのアカウントのプロフィールには「フェイクの実験でした」と種明かしがされていて、引っかかってしまったナショナルブランドに関する投稿などもされていません。それらのブランドのインフルエンサーマーケティング担当者は肝が冷えたことでしょうね。

フォロワーやコメントの購入先については明らかにしていませんが、検索すると簡単に見つかるそうです。また、インフルエンサープログラムの運営が大手か中小かに関わらず、いろいろなブランドの提案が届いてしまったということ。大手なら厳しく偽物を排除できているのでは、とも言えなさそうですね。

via Bored Panda

「末期癌を自然食品で治した」豪ソーシャルメディア起業家の嘘がばれて炎上

オーストラリア出身のネット有名人でスマートフォンアプリ起業化でもあるベル・ギブソンさんが、「悪性癌から自然食品で生還した」という経歴がまったくの嘘だったことが判明し、多くの批難を浴びて炎上しています。

(from Instagram)
(from Instagram)

現在24歳のギブソン氏、2年前の2013年5月に「17-18歳だった2009年に極めて悪性の脳のガンで余命一カ月と診断されてから4年間、自然食品と代替セラピーを続けて病を克服した」という話をソーシャルメディアで発表してから最近までで、数百万人のフォロワーや20万人以上のインスタグラムのファンを獲得していたそうです。

the-whole-pantry-top

末期癌をも治してしまった彼女の食生活は、ソーシャルメディアで広がり、やがて本として出版されています。

彼女の本The Whole Pantry(完全な食糧庫)と同名のスマートフォンアプリは大ヒットとなり、最近発売されて話題のスマートウォッチ Apple Watch のオススメアプリにも採択されていました

(credit: Mac Rumors)
(credit: Mac Rumors)

重い病気からの生還とその後のソーシャルメディアでの派手な生活の矛盾がいろいろと報道された後、オーストラリアの週刊誌の独占インタビューで氏はついに癌の診断が嘘であったことを認めました。

The Whole PantryのAndroid アプリはまだ売られていて、レビューの評価も4.2ととても高いですが、iPhoneアプリの方はアプリストアから消えていますし、Apple Watchの方も無かったことにされているようです。

彼女の本を出しているオーストラリア・アメリカの出版社は共に販売停止と廃却を決定し、今月出る予定だった次の本もキャンセルされています。

寄付の約束が守られてないことから綻び

彼女の会社 The Whole Pantry は、アフリカに学校を建てるなどの募金活動をいくつか主催し、本やアプリの売上の一部も寄付することを謳っていたのですが、2013年、2014年に行なわれた寄付キャンペーンで集めたお金が、寄付対象として発表されていた5つの慈善団体のうち実に4団体に届いてないことが判明しています。

ギブソン氏はキャッシュフロー上の問題で寄付ができてないことや会計処理の改善を発表しましたが、同時に、フェイスブックページに寄せられた追求やネガティブなコメントを削除、それらを投じたユーザーをブロックしたことが却って人々の注意を呼び、友人たちからすらも疑われていた末期癌の病歴などの問題が掘り起こされてしまったようです。

ギブソン氏は先週のツイッターで、現在拠点にしているアメリカから、そして追求するメディアから逃げたという噂を否定しています。

この件、集めたフォロワーの数や、影響を与えた人の数を考えるとかなり大きなソーシャルメディア上の事件ではないかと思います。

本人が「末期癌だった」「食事で治った」と言ったというだけでこんなにも多くの人が信じてしまうのは驚きですし、ここまでの人気になるまでにメッキが剥がれなかったのもすごいですね。英語圏の話なのでわかりませんが、この人の容姿やテレビ等での話し方など、人を信じさせる力が秀でていたのかもしれません。

あるいは、信じたい人が信じたい話に群がってしまうソーシャルメディアの特性が、局所的に作り話を信じたがる人たちが大多数の輪を作り上げてしまい、冷静に突っ込みを入れる人を寄せ付けなかったりしたということもあるかもしれません。

[追記 2017-03-16]

消費者センターの起こした裁判の結果、有罪判決と罰金が与えられるそうです。

「自然療法でがん治癒」とうそ、ブロガーに有罪判決 豪 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

[追記 2017-09-22]

2017/6月に罰金の額が1億円(113億4900万ドル)と決まったようですが、彼女に支払い能力があるかは疑問視されています。

また、オーストラリアの法律事務所が、Instagram上の有名インスタグラマーに商品宣伝させることのリスクに関する講演に「ベル・ギブソン要素(The Bell Gibson Factor)」なるタイトルをつけていました。それだけ彼女のついた嘘の影響が大きかったということでしょうね。しかし罪を犯したとは言え個人名をこんな風に使って大丈夫なのかな。