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IKEA、食事の写真をソーシャルメディアに流すのに夢中の人たちに諫言す

IKEAのコマーシャル Let’s Relax (気楽にいこうよ)です。

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中世風のお屋敷。食事の準備ができたと思ったら、お抱え画家が呼ばれ、食事の絵を描き始めます。

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使用人たちが馬車で絵をいろいろな所へ運んでいき、「いいね」を貰います。

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「いいね」をもらわないことには食べ始めることもできません。

良くできてますね。観てて笑ってしまいました。

昔だったらこんなに大変だっただろうことが、スマートフォンとインターネットで簡単に実現できている、と見ることもできますが、「それ本当にやらないといけないことなの?」という見方もあるわけで。

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メッセージは、「食事だよ。競争じゃない (It’s a meal. Not a competition)」でした。

via TheNextWeb

「メンバーのセックステープ流出」という作り話で新曲の宣伝をしようとしたバンドが大炎上

ロスアンゼルスのバンド YACHT(ヨット) が昨日フェイスブックで発表した内容は、驚くべきものでした。

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要約すると「2006年から音楽および恋愛のパートナーでもあるメンバーの男女、ヨナとクレアがプライベートに撮影したセックス動画が、技術的な間違いと、とある卑劣な人物のために一般公開されてしまった。流出した動画を見ないようにしてほしい。」ということです。

フェイスブックのコメントは、バンドのファン達や事件を知った人からの大量の応援コメントが送られました。しかし、その応援コメントを受け、 YACHT はさらにコメント欄で驚くべき提案を始めます。

「我々はこの動画を直接みなさんに配布できるじゃないか、と考えるに至りました。」

「流出してしまった動画を無くすことはできないけど、動画の所有権をある意味取り戻すことはできるんじゃないか。」

「もしあなたがこの動画を観なきゃならないとしても、どこかの動画サイトやトレント経由じゃなく、我々から直接観てほしい」

ということで、急遽友人が作ってくれたというサイトへリンクが紹介されます。リンク先のページでは、5ドル(551円)払って本人達が公開した動画を観られる、という作りになっていたそうですが、手続きを進めてもエラーになるばかりで、動画に辿り着くことはできなかったようです。ただし、彼らバンドと交友がある他のミュージシャンらの中には、動画を「見た」とソーシャルで語る人何人いた模様。(これらのツイートはすべて非公開または削除されている模様)

今日になって、初報を広める記事を書いたメディアの一つJezebel が報じたところによれば、実際に流出した動画などそもそも存在せず、このバンドの新曲のプロモーション活動としての作り話だということがわかりました。このメディアの別の担当者が、4月上旬にこの作り話によるプロモーション活動をやるよ、という予告のメールを受け取っていたそうです。

動画販売ページは、現在は謝罪ページに切り替わっています。

「私たちは簡単に作り話とわかるものを作りました。興味、懐疑、笑いを受け取れるものと思っていましたが、次々と寄せられる純粋な支援や、すごい速さでここまで広く報道されてしまうことについては予想できませんでした。

ドラマXファイルズに出てくるような、ゆっくりと広まる都市伝説として公開した、SF、注目経済、クリック狙いのジャーナリズム、そして有名人のセックステープ流出、などの要素を組み合わせたプロジェクトだった、とも言っていますが、言い訳成分が多くてあまり真摯な謝罪には見えません。

「みなさんを騙すにはもっと努力しないといけないようです」などと書いたばかりか、ポルノサイトの Pornhub に自分たちの音楽ビデオをアップロードし、そこにリンクを張って「動画はここで見られます」などと書いています。謝罪文の中でですよ。

実際に被害者がいるような事件をネタにしてネットの注目を集めようとしたことに対して、当初の共感の反動からか、元のフェイスブック記事のコメントを始め、他のソーシャルメディアでも、担がれた各メディアでも、大きな非難の声が上がっているようです。

バンドの公式PR会社のツイッターは、今回の件に自分たちは絡んでない、と発言しています。

これが嘘だったら後々大変なので、たぶん合ってるんでしょうね。バンドのメンバー自身が企画して実行した、と。

どうしてこんなやり方が問題にならないと思ったのか、不思議なぐらいダメな宣伝手法だと思いますが、どうでしょうね。バンド名は売れたし、(音楽の)動画を観に行く人もいるでしょう。こういう釣りの手法は応援したくないのでリンクは張りませんが、もう二度と相手にされなくなるか、こんな方法でも生き残ったりするのか。

美しい「スマホ撮り」用に皿まで作ったレストラン

イスラエル、テルアビブのレストラン カーメル・ワイナリー(Carmel Winery)が、有名シェフ、ブロガーらと組んで立ち上げたワークショッププロジェクト Foodography(食+写真、の造語)では、スマートフォンのカメラで撮影され、ソーシャルメディアで共有されることを前提にした皿を自前で作り、その皿に食事を盛り付け、撮影しています。

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下の食器、その名も「The 360°」では、盛り付けたままで360度回転させ、いろいろな角度で料理を撮影できます。

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おいしそうな食べ物の写真をソーシャルメディア等で共有しまくる様子を「フード・ポルノ」と評したり、食事自体よりも撮影ばかりに夢中になる客のことを苦々しく思う料理人と客のトラブルの話なども聞きますが、写真を撮ってネットで友達に共有するところまでが食の楽しみで、その体験すべてを売っているんだ、と開き直れば、撮影のための環境や食器まで提供するというのもアイデアとしてはあるかもしれませんね。

via Haaretz

インスタグラムでのリア充アピールが過ぎた共和党議員の若きホープが窮地に

イリノイ州選出の共和党議員、初の80年代生まれで若手のホープと目されていたアーロン・ショック(Aaron Schock)議員が、税金や選挙キャンペーンで集めたお金をプライベートジェットでの海外旅行、コンサートチケット、マッサージ等に使ったというのがニュースになっていますが、AP通信がジェットの飛行情報とつきあわせて調査したのが彼のインスタグラムの写真とその位置情報というのが非常に今風です。

CNN では、Insta-brags (インスタグラムとbrag = 自慢、を組み合わせた造語)が原因で叩かれた? として報じています。

議員だって旅行を楽しんで構わないとは思うので、楽しげな旅行の写真を載せてもいいとは思うのですが、

https://instagram.com/p/xM-Gp-JPnN/

https://instagram.com/p/xI3NuhJPou/

#montalcino big barrels

A photo posted by Aaron Schock (@aaronschock) on

これらが自腹じゃなかったとしたらまずいでしょうね。

この議員、先月には、自分の事務所をドラマダウントン・アビー風に改装した、というニュースでお騒がせしていたようで、

上がその事務所、下がダウントン・アビーに出てきた家。

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http://www.amazon.co.jp/dp/B00KD9SLJA

「なんか金遣いが荒くないかこの人?」みたいな疑惑からジャーナリスト達の更なる調査を呼び込んだのかもしれません。

議員が不自然なほどの旅行や出費をしていたという話、最近日本でもあり、謝罪会見は世界を巡るニュースになりましたが、あちらが空出張メインだったのに対して、ショック氏は本当にプライベートジェット機に乗ってあちこち飛び回っていたようです。

アメリカ大使館の公開している2012年米国選挙を特集したジャーナルの日本語版 [pdf] で、このアーロン・ショック議員が大々的に取り上げられていました。(10~14ページ) 若き政治の天才、という経歴ですね。

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via The Verge

書評: つながりっぱなしの日常を生きる ソーシャルメディアが若者にもたらしたもの

アメリカのソーシャルメディア研究者ダナ・ボイド ( @zephoria氏の著作 It’s Complicated の邦訳。

http://www.amazon.co.jp/dp/4794220871

ソーシャルメディアを使う若者への多数のインタビューなどを元に、大人がソーシャルメディアや現在の若者社会について持っている誤解などを解いていっています。

以下、特にハッとさせられた部分。

p.48 治安の悪い地区からアイビーリーグの大学へ願書を出した黒人少年の話。マイスペースではギャングのような発言をしたりしている。大学の審査担当者は願書の中の志のある少年が嘘ではないかと疑うが、著者はそのように自分を見せないとうまく生きていけないコミュニティで苦悩する若者という可能性を提示する

日本でもツイッター等で本来公に見せるべきでないような行動を誇示したり写真を載せたりして炎上している若者が多いが、その中には若者の世界での中の友人関係をなんとか維持しようとするあまりに、本当は自分がそうしたいというわけでなくても社会から見たら問題となるような行動をとってしまうことがあるのでは、という観点。

p.132 「インターネット中毒」という言葉を初めて使った精神科医イヴァン・ゴールドバーグ氏は本気でそれを病気としての中毒と考えていたわけではなかった。何かに熱中してやりすぎる人は何にでもいる。 p.157 ネット中毒という言葉は、子供をネットから遠ざけたい大人の便利な道具となっていないか。

「中毒」ということにしてしまえば、そこで相手を「自分とは別物」と切断してしまえます。自分の趣味は「熱心」で、理解できない趣味は「中毒」と言っているだけなんじゃないか?

p.178 子供の性犯罪被害。実態としては加害者の多くがネットと無関係な知人や家族なのに、メディアはネットの向こうの狡猾な性犯罪者の危険を煽る

p.196 ソーシャルメディアで自分の苦しみを訴えている子供は多いのに、大人がそれを見つけて必要な手助けをすることができていない。

「ソーシャルメディアで若者を騙そうとする悪い大人がいる!」から、「だから使わせるな!」に行くのではなく、「ソーシャルメディアで若者を導こうとする良い大人はもっといる」とでもなればいいのでしょうけど、それをどうやって実現すればいいのか。今のネットで「若者の声を代弁」みたいなことを言っている大人に、良い大人のフリをした悪い大人みたいなのがいるのも事実でしょうし。

p.257 Kinnectのようなシステムが、肌の色が濃いユーザーで認識率が落ちてしまうこと。新しい技術が新たな不平等を産むことがある。

日本の状況と違うところもあるが、おそらく共通する点も多いでしょう。子供が自由に外を歩き回らなくなっている、忙しすぎてオンラインぐらいでしか友達と社交をする暇がない、というアメリカの状況も、日本にやってくるのはすぐのようにも感じます。

イベント情報サービスのUpcoming創業者がYahooからドメインを返還され、もう一回やりなおしを宣言

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かつて、Upcoming.orgというイベント告知サービスがありました。2003年に開設されたUpcomingは、Web2.0ブームの中で他のイベント情報サービスMeetup.com やEventbrite らと競争しつつ成長し、2005年にはYahoo!に買収されました。

Upcomings創業者のアンディ・バイオ氏は、2007年にはYahoo!を退社したのですが、その後もYahoo!の元でのUpcoming が成長することはなく、昨年2013年にサービスは閉鎖されています。、

ちなみに、2007年のスクリーンショットはこんな感じ。

(credit: Wikipedia)
(credit: Wikipedia)

結果的に、del.icio.us や MyBlogLog らと同様、米Yahoo! が買ったサービスをうまく生かせなかった事例の一つ、ということになってしまいました。

ただ、どうしてかはわからないのですが、今回の閉鎖に関してYahoo! はかなり気前の良いところを見せました。閉鎖した Upcoming.org ドメインを、元創業者のバイオ氏に最低限の値段(ドメイン代?)にて引き渡す提案をしたのです。

バイオ氏はこれを受け入れ、ドメインを取り戻しました。そして今回の Kickstarter による再始動プロジェクトが始まったというわけです。

今回のプロジェクトの大きな違いの一つは、ソーシャルの活用です。Upcoming の初期には、TwitterやFoursquare どころか、Flickrすらも存在しませんでした。新バージョンのUpcoming では、これらソーシャルなサービスとの連動を行い、外部サービスでできることはそちらに任せるように作るということです。

新サイトでは、オープンなAPIの提供やオープンな標準の採用、自分が投稿したデータは自分のものであり続ける、といった方針が維持される予定。そして今回もう一つの大きな約束が、

I won’t sell it again.

「もう二度とUpcomingを売ることはない」との宣言です。

Kickstarterでは$30000(330万7410円)の呼びかけに対して3倍以上の10万ドル(1102万4700円)が集まり、バイオ氏はフルタイムで新生Upcoming の開発ができることになりました。来年2015年の公開が予定されているそうです。

via Upcoming, The Social Events Database, Is Planning Its Rise From The Dead – ReadWrite