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ハットピン・パニック – 20世紀初頭の「帽子ピンで痴漢を刺しましょう運動」

安全ピンで痴漢の指を刺すのは正当防衛か過剰防衛か? という話がツイッターで盛り上がっていますが、同様の話がビクトリア朝時代のイギリス、アメリカ、オーストラリア等で100年以上前に発生していたそうです。

credit: Europeana Fashion

ハットピン(hatpin)とはこういうもの。大きな帽子を頭に止めておくために使われた大きなピン。19世紀中頃に、それまでの帽子紐に代わって、女性がより活発に動けるよう登場した長いピンで、大きな帽子を髪にしっかり固定するようになります。

その後、産業化に伴う公共交通機関の発達により、鉄道などで単独で旅行する女性が現れました。と同時に、単独で移動する娼婦以外の女性の扱いを知らなかった男性旅行者たちが、キャットコール、じろじろ見る、触ってくるなどのハラスメントをかましてきたと言います。

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そんな中、帽子にハットピンを使っていた「新しい女性」たちは、ハットピンを武器にして、触ってくる男性に対抗したそうです。

1900年の秋には、(翌年にはアメリカ大統領となる)ニューヨーク知事セオドア・ルーズベルトの街頭演説で、自分だけ良く見ようとガードレールによじ登り視界を遮った男性に対し、「ハットピンで刺しな!」と後ろの女性たちから声が上がり、実際にハットピンで刺して追い払ったというエピソードが残っているのだとか。ルーズベルト知事はこれを「いかに勇敢な男でも、ハットピンを持つ腹の座った女性には立ち向かえない」と称賛したとシカゴ・トリビューン紙が伝えています。

しかし、1910年代になると、間違ってハットピンで刺したり、警官に逮捕されそうな女性がハットピンで逆襲したり、といった報道が増えてきて男性を危険にさらす可能性(女性の実害はさておき)、(現代でも根強く残る)「女性が誘っているのが悪いのでは?」論、などから、米国や豪州、欧州の各都市で規制、たとえばシカゴの「ハットピンの長さは9インチ以内」といったもの、が成立したのだそうです。

そうこうするうちに、大きな帽子自体が次世代の女性ファッション、ボブカットやクロッシェ帽子の流行に取って代わられてしまい、ハットピンが使われなくなったことから、ハットピンによる女性の逆襲も歴史の波に消えて行った、のだとか。