「プライバシー」タグアーカイブ

フェイスブックCEOマーク・ザッカーバーグ氏のプライバシー防衛術

Facebook社が大金をはたいて買収した、スマートフォン写真共有サービス Instagram の月間ユーザー利用数5億人突破したということで、Facebook 創業者でCEOでもあるマーク・ザッカーバーグ氏がFacebookアカウントで祝意を寄せています。

この写真を見てChris Olsonさん(@topherolson)がツイッター上で指摘したのは、ザッカーバーグ氏の使っているラップトップの様子。

  • カメラがテープで塞がれている
  • マイクがテープで塞がれている
  • メールクライアントは Thunderbird

zuckerberg-laptop-with-camera-taped

ソーシャルでの写真の共有を、そして最近は動画の共有を強力に推進しているフェイスブックの長としてどうなんだ、という話もあるでしょうけど、常に注目される富豪&有名人としては、身の回りの情報が間違っても他者に収集されないように気を配る必要があるのかもしれませんね。

セキュリティのチェックをしてくれる有能なスタッフがまわりにたくさんいるであろう氏がここまでの注意を払っているのですから、大事な情報を扱っている人はラップトップやスマートフォン等のカメラやマイクは塞いで置くことも検討したほうがいいのかもしれません。

読者コメントを「過去に遡って全部実名に切り替えます」と発表して恐慌を引き起こした米地方新聞社

アメリカ北西部モンタナ州ビュートの地方新聞社モンタナ・スタンダード(Montana Standard)が去年の11月に発表したのが、新聞社サイトのニュースへのコメント欄の新年からの実名化。

匿名者によるネガティブなコメントに飽き飽きしていたらしいこの新聞社、編集者の『この実名化によって「匿名コメントの持つ腐食性」を食い止められるでしょう』という実名化への動機が紹介されていて、「実名なら人はひどいことを書かないはず」という信仰がいまだ根強いことを感じます。

# これが誤解であることはフェイスブックを見れば明らかなんですが。

しかし、この今回の変更の最大の問題点は、新しく書かれたコメントだけでなく、過去にサイトに書かれたすべてのコメントについて、表示名(screen name)で表示されていたものを本名(real name)に変えるところにありました。

実名での表示を望まない人は12月26日までに「なぜ自分のコメントを削除すべきか」理由を添えて申請するように、と案内されていましたが。そんな新ルールを過去のコメントに対して適用されてしまうことに対して怒った読者がコメント欄に殺到。

結局、申請締め切り前の12月中旬に、この新聞社は「過去のコメントは全部、単に削除します」と訂正を入れて騒動は収まりました

過去のコメントの内容自体には、役に立つものや貴重なものもたくさん有ったでしょうに。どうしても実名制に移行したいなら、過去分だけニックネームのままにする、という手もありそうなものですが、新聞社の声明によれば、同社のコンテンツ管理システム(CMS)の制限のために、全削除という対応に変わったということ。

この事件から得られる教訓

コメント欄に書くための会員登録ですが、「実名」のところも好きな名前を入れられたようです。

「実名」と「表示名」欄があることで、つい実名の方には本名を書いてしまった人も多かったのだろうと思いますが、まさか後になって実名の方が広く公開されてしまうことになろうとは、想像しなかったというところでしょう。

しかし、本名を登録したサービスが後々どういう方針に変わるかなんてわかりませんし、買収等でまったく別の会社があなたの本名を別の目的で使うこともあるかもしれません。

今回は苦情が多くて撤回されましたが、そもそも必要もないところで本名を記入したり与えたりしない、というのが、賢いネットの歩き方と言えるのではないでしょうか。最初から与えていなければ漏れることも悪用されることもないわけで。生年月日やら何やらもね。

子供が映っている写真は自動的に限定公開にしたい、とフェイスブックの中の人が語る

「フェイスブック10年間のイノベーション」というイベントでフェイスブック副社長(日本語の副社長ほどは高い役職ではありません)のジェイ・パリクさんが語ったところによると、親が自分の子供の写真をフェイスブックへアップロードして、それがフェイスブック全体に公開する指定となっている場合に、「知人限定じゃなくていいんですか?」と警告することが将来的にできるだろうということです。

GoogleもFacebookも、利用者が撮影してアップロードした写真の中の人物の誰が誰かを特定することに一生懸命になっています。いずれは動画の中に映っている人を特定したりもできるようになるでしょう。

巨大なネットサービスに、居場所や友人とのやりとりだけでなく顔や表情まで読み取られ、広告のターゲットとなっていくのは不安もあります。ユーザーのためになることにも使えるんですよ、という言い訳用であっても、子供のプライバシーを守るための機能も検討してくれるのはいいかなと思います。

Google検索結果のアドレスを貼り付けると「一回前の検索ワード」が漏れる事がある

ジェレミー・ルービンさんがブログで、グーグル検索した結果を共有した際に一つ前に調べたキーワードが共有先に漏れる場合があると伝えています

再現手順はこんな感じ。

  1. ChromeやFirefoxブラウザのアドレスバーで「最初の検索」で検索
  2. 検索結果のページの検索ボックスで「次の検索」で検索
  3. アドレスバーのURLの中に、「最初の検索」と「次の検索」の両方が入っている

検索キーワードが日本語などの場合は、URL中の表示はエンコードされてそのままでは日本語として読めない場合がありますが、これは変換して戻そうと思えば簡単にできます。

google-search-leaks-previous-keywords

アドレスバーに、「最初の検索」が出ています。

google-search-leaks-previous-keywords-enlarged

簡単に確かめたいならアルファベットや数字だけで上記の再現手順を試してもいいでしょう。URLに出てきた一番目の検索ワードをそのまま目視できます。

このアドレスをメール等にコピー&ペーストして送ってしまうと、「2番目の検索」で検索した結果を送ったつもりが、「最初の検索」という文字列もURLの中に含めて送ってしまうということです。

Internet Explorer でも、アドオンでアドレスバーの検索エンジンをGoogleにすると同じことになりますね。デフォルトのBing検索ではBingに行くので当然再現しませんが。

問題点と影響

ルービン氏の場合は、友人から送られてきた検索結果のアドレスを見てこれに気づいたようですが、その時にURLに含まれていた前の検索ワードは、その友人が文章中に書いているとても一般的な単語だったということ。その友人は、そのとても基本的な単語の意味を調べないとその文章が書けなかったのかもしれない、とルービン氏は推測し、このように関係のない検索ワードが他人に漏れてしまうのは恥ずかしい場合もあるだろう、と述べています。

簡単な単語の意味を調べてたぐらいならまだしも、検索してるのが人に知られたらもっと恥ずかしいキーワードというのもあるでしょうね。

あまりひどいものはご紹介できないのですが、これは2chから見つけたもの

google-search-kindaichi

「金田一一」を検索した同じページで、続けて「金田一二三男」を検索し、それを掲示板に貼り付けたんですね。まあこのケースでは漏れたとしても害はありません。

これまでグーグル検索結果のページのURLを掲示板等に貼り付けたり、メールで他の人に送ったりした人は、もしわかるなら送ったURLに一つ前の検索ワードが含まれていないか、含まれていたとしたらバレて困るキーワードではないか、確認したほうがいいかもしれません。といっても、確認して困っても削除・撤回できない場合も多そうですけど。

完全ではないですが、たとえばGoogle検索で “www.google.co.jp/search?q=” を含めて検索すると、検索結果を貼り付けたページが見つかりますね。site: で限定すれば自分のブログを確認したりもできます。

検索結果を共有する機会、となると、ツイッターやFacebook の過去の書き込み、チャットサービスのログ、などもあるでしょう。

ルービン氏はこの問題についてグーグル社にも伝えたそうですが、「仕様です」「修正しません」という回答を受けたそうです。自分で気をつけないといけないようですね。

via Hacker News

不倫サイトの流出データからわかった、人気の高い「嘘の誕生日」

不倫希望者マッチングサービスAshley Madisonの利用者データ流出がニュースを賑わしています。世界中の3600万人ユーザーの登録データがBitTorrentなどのファイル共有で流れているということで、この興味深いビッグデータを使った解析や評論などもぽつぽつと登場しています。

米ワシントンポストが取り上げたのが、登録者の誕生日情報。こちらのツイッターのメッセージでも表の部分が共有されています。

左の赤い表が、流出ユーザーの誕生日の設定の多寡。横軸が月、縦軸が日の一年間で、色の濃いところほど、平均よりも多くのユーザーが誕生日と指定している日となります。

人がいつ生まれるかはおおむね平均化されているとすれば、ある一日を見たときにその日が誕生日の人は全体の1/365の割合でいるはず。しかし、一番集中している元旦1月1日は、利用者全体の実に12分の1が誕生日と指定していたそうです。

他に赤色の濃いところを見ていくと、月を1月にしたまま日だけを変更したケース、日を1日にしたまま月だけを変更したケースとして、表の左端と上端が濃くなっています。また、2月2日、3月3日… と、ゾロ目の誕生日も登録者が多いです。

他に多いのが記念日系。2月14日のバレンタインデー、4月20日の大麻の日、7月4日のアメリカ独立記念日、なども、覚えやすい嘘の日として愛用している人がいるようで、うっすらと濃くなっていますね。日本人だと何の記念日を使うかもわかると面白そうです。

右の青い表は生まれ年の分布ですが、こちらは実際に利用者が多い1980年代を中心に分布しているものの、末尾が0や5とキリの良い年が少し多かったりします。一番多い生まれ年は1978年だったそうですが、これはもしかしたら登録時のデフォルトだったのかもしれません。

ワシントンポストも、「この統計からネットユーザー一般が同じ傾向で嘘の誕生日を使うとは断言できない。なんとなれば、このデータは(妻や夫に対しての)嘘つきを集めたものだからだ」とまとめているので、嘘の誕生日を使っている人の率は多少一般より高いかもしれません。

ただ、僕もそうですが、明らかに正確な生年月日を必要としないだろうwebサービスから生年月日を問われた時に、本当のものではない生年月日を使う人はそれなりにいるのではないかと思います。

ネットのサービスで本当の誕生日を入れるものなのか?

誕生日というのは結構プライバシー的に重要なデータで、役所でも企業サービスでも本人確認の為に求めらることがそれなりにあります。本名と誕生日、電話番号などだけで本人確認としてしまうようなサービスだと、他人に誕生日を知られてしまっただけで自分に成りすまされてしまうということもあるでしょう。

今となっては、「誕生日を知ってるから本人」なんて運用は危険この上ないとは思いますが、ソーシャルネットワークの流行などから後、多くのネットサービスで当然のように誕生日を尋ねてくるようになりました。ソーシャル系のサービスではつながっている友人に対して機械的に友人の誕生日を通知し、交流を活性化させようとしたりもしているので、誕生日の祝い祝われが大事なユーザーは本当の誕生日を入れがちになるかもしれません。

via The Verge

アクセス解析しているマーケッターを混乱させるためのChrome拡張 UTM-Mangler

Chromeブラウザ拡張 UTM-Mangler は、WebマーケターやSEO実施者らを困らせることを目標に開発されたツールです。でもどうやって?

utm-manager-icon

ウェブ上をサイトからサイト、ページからページへ移動していくと、アドレスバーのURLの後ろに”utm_”で始まる長いパラメーターがいくつもついていることがあるのに気づく人は多いでしょう。

UTMはUrchin Tracking Moduleの頭文字で、UrchinはGoogleが買収したアクセス解析のプログラムで、Google Analytics の元となっているものです。これらのUTMパラメーターは、Google Analyticsでアクセス情報を収集する際に、ユーザーがそのページにどこからどういう理由で飛んできたのかというのを記録するために、宣伝担当者などがつけるものです。

リアルな例で言うと、レストランに予約の電話をする時に「食べログで見ました」みたいなことを話すようにしてください、とサイトの方で書いてあったりしますが、これは紹介してるサービスが本当に役に立ってますよ、というのをお店側にアピールする意味がありますね。不動産屋に「ホームズで見ました」というのも同じ。

リアルでは律儀にちゃんと言う人ばかりではないですが、ブラウザのリンクをクリックしたりQRコードから飛んだりする場合には最初から埋め込まれていますから、マーケターがちゃんと設計していればかなり正確な情報が取れることでしょう。

たとえば下の画面、RSSリーダー経由で開いたページ、ブラウザのアドレスバーには、Feedburnerで提供されたRSS経由で来たことが埋め込まれています。

url_original

しかし、UTM-Manglerを入れているとあら不思議。utm_source にはとても開けないようなサイトの名前に変わり、utm_campaign には「拷問」というタグが。

url_changed_by_utm_mangler

アクセス解析でもしこのアクセスを含む結果に気づいたなら、サイトの運営担当者は、「おかしいな、こんなサイトに広告を出したり、紹介記事を書いてもらったりしたことはないはずだが…」と悩んでしまうことでしょう。

自分は知らないけど社内の他の誰かがやったのかな、と、流入元と書いてあるドメインに確認しに行くかもしれません。それこそが拡張作者の張った罠なのですが…

ブックマークレットの作者が述べていますが、このトリックコードが変更するアクセス元サイトのサイト名やドメインは、普通の人なら一生見たくないようなひどいものばかりです。

自分のネットサーフィンの情報を集めようとするマーケッターへの嫌がらせにはなりますが、この拡張を常用していると、多くのサイトから「いつも異常なサイトからのリンクで見に来る」訪問者だという風に見えてしまうかもしれません。

先に作られていたブックマークレット版はこちらで入手できます。常時自分のネットサーフィンに目くらましを掛けたいわけでなく、ここぞというサイト・ページでだけやりたい場合はこちらを使うのがいいでしょう。

関連

ブックマーク等するのでアドレスをキレイにしたい、というだけなら、UTMパラメータを削除したアドレスにリダイレクトさせるChrome拡張もあります。ソーシャルブックマーク(というかはてなブックマーク)で皆と違うURLでブックマークしてしまうのを避けたいというだけならこちらの方が実用的でしょう。ただこちらはリダイレクトなので最初のパラメータでのアクセスも記録され、マーケッターへの嫌がらせにはなりません。

(タイトル画像credit: Wikimedia/Keith Evans CC by-sa)