「啓発」タグアーカイブ

[動画] 「ダイヤモンドは永遠」

「ダイヤモンドは永遠」(Diamonds Are Forever)は、架空のダイヤモンド・オンラインというwebサービスで、ダイヤモンドの婚約指輪を購入する、というドラマ仕立ての動画です。

とあるカップルは、オンラインで婚約指輪を注文します。注文したダイヤモンドの状況をPCやスマートフォンから追跡できるトラッカー機能がついていて、いろいろな通知を受けることになります。

「おめでとうございます。少年奴隷のキンウェイがあなたのダイヤモンドを掘り始めました」「クール!」

「キンウェイは反政府軍のヤクブにダイヤモンドを引き渡しました。ヤクブは怪我しているキンウェイをダイヤモンド鉱道へ戻しました」

「ヤクブはダイヤモンドを内戦で組織的に地元市民を殺戮するための武器や現金と交換しました」

このあとダイヤは、密輸業者によって南アフリカから持ち出され、その船も海賊に奪われ、海賊は偽のダイヤモンド証明書をゲットし、ベルギーのダイヤ会社へ送られます。

パキスタンのサッカーボール工場とか、アフリカのコーヒー豆農園やチョコレート農園とか、先進国で気軽に買えるものの背後に児童労働や搾取が存在する、というニュースは良く見ますね。ダイヤモンドにもそういう経緯で流れてきたものと、そうでないものがあるのでしょう。

ダイヤモンドの発掘や流通に関わる人たちの悲惨な状況を、幸せそうな日常生活の中で受け取り、それを「クール」とか「そうでなくてはね」みたいに淡々とスルーする様子が、サイコパスのようで恐ろしくもあります。

動画は、消費者が生産・流通の過程をトラッキングできるという最近ありがちなオンラインショッピングの機能をうまく使って、搾取の存在をうまく啓発しているなと感じました。

IKEAの店内に内戦下のシリアの家を再現

ノルウェーの首都オスロ、イケアのスレペンデン支店に、イケアが赤十字に協力して作成した「シリアの部屋」が展示されているそうです。

Nesbruveien 40, 1396 Billingstad, Oslo Norway

崩れた家の中に、寄り添っての不安な暮らし

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上の動画にあるようなシリアの困難な暮らしぶりを、オスロのイケアが協力して、店内に他のモデルルームと同じように公開しています。

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イケアのよくあるマニュアルイラストですが、表現されるのはたいへんな頻度の空爆。

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イケアの店内に、他のモデルルームと同じように設置されたシリアの部屋

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ダマスカス郊外にある、ラナとその家族9人が住むシリアのアパートを再現しています。

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価格タグには、銃火の中、シリアの人がどのように暮らしているかが解説されています。食料や薬品の配給に並ぶ様子や、どのようにして生き延びているのかを。そして、どうしたらこの人たちを支援できるかという情報も。

IKEAのモデルルームは、普段は理想の幸福な暮らし方を再現して見せてくれていて、IKEAに行ったことがある人ならどんな感じかを知っているわけです。そこでこのような遠地のリアルを展示することで、あちらとこちらの対照を際立たせることに成功しているのではないでしょうか。

via Ufunk.net

生中継: 平均的なスマートフォンアプリの利用規約の読み上げ – ノルウェーから

アプリを最初にインストール・実行するときに表示される利用規約、読んでますか?

ノルウェーの消費者審議会 Forbrukerrådet によるキャンペーンTerms and conditions word by word(利用規約を一字一句) では、現在、スマートフォンのアプリの利用規約を読み上げる様子をライブ中継しています。

terms-and-conditions-word-by-word-live-screenshot

机の後ろに表示されているのは、今回利用規約を読み上げている有名アプリのアイコンでしょうね。

既に開始から10時間以上経過しているこの中継、机に座った人がひたすら利用規約を読んでいる様子しか映りません。審議会が招待したゲストたちが、適宜交替しながら

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実際には誰も読まない「利用規約」

「平均的な消費者は、およそ25万単語分もの利用規約を読まなければいけないことに気づきます。これはほとんどの人にとっては不可能なタスクで、結果的に消費者はモバイルアプリ側に好きなことを好きなように許してしまうことになっているのです (aboutページ)」

消費者審議会が収集した、よく使われるモバイルアプリの利用規約は、読み上げるのに24時間以上は掛かると見積もられています。

審議会のデジタルポリシー責任者フィン・ミルスタッドさんは「利用規約やプライバシーポリシーの形式は標準化されるべきです」と訴えています。

ノルウェー消費者審議会が提案する、「読める」利用規約にする5つのポイントは以下の通りです。

1. 当たり前のことは書かない

法律や条例で決められていることは、わざわざ書かない。どの法律や条例に従う、と書けば十分です。

2. 人が理解できる言葉で

はっきりしない、解釈次第でなんとでもなるような法律用語や概念を避ける。全文を大文字で書くのを止める。

3. 簡潔に

ユーザーが何ページも読み続けることは期待できない。長さの上限を決める

4. 構造化する

一番重要なところは、文章の構造や図などを使って強調する。変更する時は、ネガティブに受け取られうる箇所も含めて、変更点がはっきりわかるように示す。

5. 業界標準に従う

業界で標準的な規約を作り、それを適用することで、個々の利用規約を大きく省略できる。これにより信頼を生み、共感を得ることができる

長々と読みにくい利用規約は、あまり考えずに他所からコピーしたものもあれば、ユーザーに不利な内容を隠すためにわざと読みにくくしているというケースもあるでしょう。

上の5つのアドバイスにしても、これに従うことでアプリの提供者がすぐに得をすることも少ないと思うので、なかなか変わらないとは思うのですが。

なお、利用規約に不利な内容が紛れていないか、といったことを確認したい場合は、大手ウェブサービスの利用規約の評価をしているTerms of Service; Didn't Readや、利用規約の更新が有ったら検知して教えるTOSBackDocracyのTrackerといったサイトもあります。

via Hacker News

YouTube上の「奴隷制ゲーム」予告映像の起こした反応

たった48秒の動画なのですが、Javelin Reds Gaming社の”Slavery The Game”(奴隷制)というゲームの予告編が話題になっています。

「17世紀、ヨーロッパが世界を制覇していた時代に戻り、莫大な富を築け。奴隷を購入し、しつけ、搾取し、最も有力な奴隷商人となるのだ」

今再生回数は40万回ぐらいです。上記の文句も刺激的ですが、イメージ映像の方もギョっとするつくりです。

しかし、既にこの動画上にはテキストで「この動画は、過去の奴隷制の歴史と、今も残る奴隷の問題に注目してもらうためのバイラルキャンペーンであり、ゲームは実在しません」という注意書きが掲載されるようになっています。このゲーム、実際に製作中だったり発売されるわけではなくて、この予告映像だけが作られたということですね。

広く見られることを狙って作ったのだから、種明かしが若干早かったのでは、と、自分も種明かしされてから騒動に気づいた口なので思ってしまいますが、この動画のコメント欄や返信ビデオの多さ、そこで相当多くの人がこのゲーム予告を本物と信じて怒っているようなので、しょうがないかもしれません。

このキャンペーン自体はオランダのテレビ局が作ったもので、ゲームに関する番組のようです。最初の公開が9月1日、キャンペーンのリリースが9月7日となっています。キャンペーンの動機等について中の人が語っている動画も公開されました(オランダ語音声、英語字幕)。奴隷制へのオランダの関与等についても話していますね。

「実際にこれ以上多くの人に問題について考えてもらう方法なんてないでしょう」みたいな擁護のコメントもありますが…

自分の場合も、これがそういうキャンペーンだと知らずにいきなり話題の動画として見ていたらどう反応していただろう、と考えたりもします。