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WaitChatter チャットの待ち時間に外国語の単語を覚えさせるMITの研究

WaitChatter は、ネットのメッセージサービスで相手の返答が無いなどの待ち時間を活用して、英単語などを覚えようという実験と、そのツールです。

チャット画面で、[Alt]+J を押すか下の部分をクリックすると、

英語-スペイン語の単語の組が示されます。(スペイン語はデフォルトがそうだったので。フランス語に切り替えることもできます)

その単語を「知ってたか」「知らなかったか」尋ねられるので、どちらか答えます。いくつかの閲覧が終わると、こんどはクイズのモードになり、

スペイン語に対する英語、または英語に対するスペイン語、を答えさせられます。「知らなかった」と答えた単語に関して何度か正しい回答をすると、

「この単語を覚えました」というメッセージがでます。

Chrome拡張のボタンを押すと、上のようにこれまでの学習の経過を見ることができます。

Chrome拡張機能は、Googleトーク 内でWaitChatter を動かすようになっていて、Gmail 内のチャットが Google Hangout に切り替わってる人は、Googleトークに戻さないと試すことができません。

切り替えても、こんなメッセージが出てきてしまうのですけれど。

GoogleトークにChrome拡張という組み合わせ、メジャーでもないしもうすぐ使えなくなってしまうようですが、実験としては組み込み安かったチャットサービスなのでしょうね。今は、メッセージの送信時にサードパーティーのソフトウェアに入出力を扱わせてくれるメッセージサービスもあまりないかもしれませんが、研究の結果学習の効果がある、ということになれば、相手の返信を待つ間に細切れに学習や仕事をする、みたいなのが普及したりするのかもしれません。

MITのデモ動画では、WiFiの接続待ちやアプリのデータ読み込み待ち、メールの(自動応答で返事が来ることがわかっている時とかの)返事待ち、に、単語クイズを1問2問できる、ような例を出しています。

待ち時間のあるツールやアプリで何といっても有効なのは広告でしょうけど、広告を見せる代わりに勉強させるような機能をつけることで、既存のツールがちょっと違う差別化できるという場合もでるのかも。

Facedate – 「好みのタイプ」の顔写真を何枚か与えると似てるメンバーを紹介するデートアプリ

ニュージャージー工科大学(NJIT)のコンピューター科学部長にして教授の指導のもとに大学院生たちが開発したという新たなデートアプリ Facedate は、顔認識と類似画像判定を組み合わせた新しい特徴を持っています。

まず自分の写真をアップロード。

そして、自分の好みの顔写真をいくつかアップロードします。俳優とかアイドルとかの写真を持ってくるんでしょうかね。

すると、登録された相手の中から、アップロードした写真に似た、つまり自分の好みに似ている人を探して紹介してくれる、という仕組み。(あと、実際に会えないと意味が無いので近所から探すようにもなっているそうです。念のため)

「多くの既存のサービスは、文章で好みを記述していましたが、顔の好みについてはうまく扱えていませんでした」とは教授のお言葉。

「芸能人で言うと誰それに似てると言われます」みたいな文章よりは、公平な判定が下されたりするのかもしれません。

このFacedate、Androidでのプロトタイプ版をクロースド運用中ということ。その後は大学での運用、そしてAndroid/iOS版の公開を検討中と。

via 論文 via The Verge

Dreambit – キーワードで写真のヘアスタイルを着せ替えできる実験サービス

Dreambitは、顔写真を加工してくれるサービス。「インド」や「1930」などといったキーワードを与えると、写真に写っている人物の髪型を「インド風」にしたり「1930年代風」に変換してくれます。

(credit: ワシントン大)
(credit: ワシントン大)

ベータアクセスは申請式ということで、とりあえず申請しましたがまだ自分で使えてはいません。髪型やファッションスタイルを表す言葉「以外」の言葉を入れてどんな髪型が出てくるか、試せると面白そうですね。

dreambit-examples

ピカード船長!

デモの動画はこちら。

同じ助教のチームは、2014年に「写真の人が歳を取ったらどんな顔になるか」という画像処理研究を発表しています。

(credit: ワシントン大)
(credit: ワシントン大)

本人の特徴さえ残っていれば、証明写真や記念写真の中の髪型や服装は、後で好きに変更できる、というような時代が来るのかもしれませんね。

さらに研究が進めば、動画の中の人の髪型なども自由に変更できるようになったりするかもしれません。古い映画を現代のファッションで自動リメイクする、といったことも起こるかも。

via Futurity

最短距離ではなく「最も美しい」や「最も楽しい」道順を表示する研究

スペイン、バルセロナのヤフー研究所が発表した研究は、地図上で道順を示す時に、「一番早い」ルートではなく、「一番美しい」ルートや「一番幸せな」ルートなどを表示するという技術です。

happiest-map

出発地点と目的地を入力すると道順を表示してくれる、というのはオンラインの地図サービスでは普通の機能となってきています。車、電車、歩いていくなどの手段に合わせた道順表示も選べますが、ほとんどの場合、表示されるのは「最も早いルート」でしょう。

渋滞情報と組み合わせた「今一番早くつけそうなルート」や、坂道情報と合わせて「自転車で楽なルート」などというのも出来ていますが、今回の研究では、ロンドンやボストンの街の地域ごとの「美しさ」とか「楽しさ」を求め、それを道順作成時に参照することで、少し余分な時間は掛かるかもしれないが、歩いていて楽しいルートや、景色が美しいルートを提示できた、と報告しています。

手順

彼らはまず、ロンドンに関して、クラウドソーシングを使って人力でアルゴリズムを洗練させます。

UrbanGemsというサイトで、グーグルのストリートビューから持ってきた二つの地点の景色を訪問者に見せ、「どちらを美しいと感じたか?」などを多数の参加者に選ばせます。

urbangems-choose-beautiful-street

ここで集めたデータから、ロンドン市内の各地が美しいかどうかが取れたので、このデータを身ながら、美しいところを通りながら到着するように道順を作成します。作成されたルートは、最短に比べると平均12%長くなったということです。

この美しいルートが本当に美しいかの検証には、30人の地域住民を雇い、実際に歩かせています。どれが美しいルートかを隠した上で複数のルートを歩いてもらい、実際に歩いてみて美しいと選んでもらったルートが、プログラムが生成した美しいルートと合致することが多かったということ。

ここまでは、クラウドソーシングによる人力という手間の掛かるやり方ですが、これを別のいろいろな場所でやるにはコストが掛かります。そこで、次の段階として、Flickrの写真とタグを使い、街の美しい場所をプログラムで抽出します。

ロンドンについて、美しい地域がもうわかっているので、Flickrにあるロンドン市内の位置情報がついた写真数百万枚と、それらの写真についたコメント文をデータとして使います。

美しい場所ではより多くの写真が残されることや、ポジティブなコメントがつくという相関を得たため、逆にそのような地点をこんどはボストンのFlickrデータから抽出することで、こんどはボストンでクラウドソーシングしなくても、ボストンの美しい地域、が得られた、ということです。

beauty-in-boston-from-flickr

ボストンで美しいルートを生成し、ロンドンの時と同様にボストンの地域住民54人を使って検証したところ、人が美しいと思う道順を生成することができた、となっています。

Flickrの写真が多数あれば美しいルートを生成できる、ということですから、この先は機械的に、世界中の多くの都市について同じことができそう、というわけですね。

美しいルート、や、楽しいルート、は、特に観光で来た人などには役に立つのではないでしょうか。論文には「静かなルート」というのも出ていますし、他にもいろいろな切り口で、単に近いだけではない、目的別の道順というのが考えられ、地図サービスに搭載されてくるのかもしれません。

via MIT Technology Review via VentureBeat

エアろくろでエア陶芸し、3Dプリンタで実体化させる研究

「業界人のインタビューでは、なぜか両手をろくろを回すような形にした写真が多い」というのは、2012年の春頃に流行っ笑い話で、「エアろくろ」という言葉を生み出しました。

アメリカのパーデュー大学の研究 Shape-It-Up は、Kinect を使ってエアろくろを回すことで、バーチャルな陶器(でもなんでも)を作れるというシステムです。

shape-it-up-operation

shape-it-up-operation_001

操作はおなじみのKinnectで。両手でオブジェクトの形を作っていきます。

shape-it-up-kinnect

形を変えたり、曲げたりも。

shape-it-up-deformation

デモ動画では色をつけるところがどうなってるかわかりませんが、いろんな形のパーツを作ったものを組み合わせて、人型にしています(2:20 あたりから)

shape-it-up-objects

できあがった3Dモデルをプリントすれば、作ったモデルを具現化することもできますね。

via Put Your Hands Up…and Use Them to Mold Some 3D Art | Gadgets, Science & Technology

Codespell – Java言語がそのまま呪文となる教育用3Dゲーム

カリフォルニア大学サン・ディエゴ校の計算機科学者達が開発した Codespell は、一人称視点の3Dゲームなのですが、その一番の特徴は、プレイすることでJavaプログラミングを身につけられるという点です。

Codespellでは、プレイヤーは小動物ノーム(gnome)たちが住む土地にやってきた魔法使いです。ノーム達は過去に魔法を使って生活していたのですが、今は魔法をうまく使えなくなっています。魔法の呪文はJava言語プログラムで、物体を浮遊させるとか火を起こすといった7つの手持ちの呪文を使って、ノーム達を助け、火を消したり川を渡ったりといったクエストを解き、バッヂを獲得するのがゲームの目標です。

ゲームプレイ

3D世界の岩が燃えていますが、

codespell-target

岩オブジェクトというターゲットオブジェクトに対して onFire()メソッドにfalseを渡す、という呪文を呼ぶプログラムを書き、実行することで、

codespell-target-program

燃えていた岩の火が消える、という例がデモ動画で紹介されています。

codespell-target-extinguish

プログラミングの達人を昔からWizard、魔法使い、といいますが、ここでは、プログラムがそのまま魔法であるような仮想空間を作りこんだ、ということですね。

ゲームの教育効果

これを開発した研究者たちが、プログラミング経験がまったく無い10歳から12歳の女子40名にこのゲームを遊ばせたところ、少女たちは一時間もしないうちにJavaの基本的な構造を把握し、自分たちで新しい遊び方をプログラミングしたということです。たとえば、呪文(プログラム)を間違えてターゲットのオブジェクトを空中高く、届かないところに持ち上げてしまったグループは、自身を他のオブジェクトの上からジャンプさせるコードを書いて、ターゲットに次の呪文を掛けることができるようにしたそうです。

入手方法

ゲームはオープンソースで公開され、マック版はバイナリがダウンロードできます。Windows版も近々リリースされるということ。

via UC San Diego Computer Scientists Develop First-person Player Video Game that Teaches How to Program in Java via