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McMansion Hell – マックマンション(粗製乱造された豪邸)を批評するブログ

mansion(マンション)は英語では「豪邸」「大邸宅」という意味です。(日本でコンクリート製の集合住宅のことをマンションと呼ぶのは英語としては間違い)。

McMansion (英語版Wikipedia) という言葉は、1980年代に生まれた新語で、規模が大きくて立派だけど「大量生産で」「粗製乱造の」「質が低く」「規則性のない複数の建築様式をごちゃまぜにしたような」邸宅、という意味になるそうです。

# “Mc-“は「マクドナルドのような」ということらしく、マクドナルド社にしてみれば災難なネーミングでしょうね。

McMansion Hell は、そんなマックマンションの外観や内装を、ひとりの建築家が実例を挙げて批評するというブログ。23歳の建築家ケイト・ワグナーさんが昨年7月に開設したものです。

(credit: McMansion Hell)

「左右の対象性が無い」「同じ階の窓のデザインが一つ一つ全部違う」「窓の高さが揃ってない」「窓の間隔が一定でない」「左側と右側で建築様式が違う」など、豪邸の正面写真に様々な突っ込みを書き込んで、公開しています。

(credit McMansion Hell)

対象性や不整列については、言われてみればなるほどと思いますが、いろいろな批評の中にはわかりにくいものも。ただ、ブログでは建築用語や各建築様式などについて詳しく解説してる記事もあり、購読していると知識が増えてわかるようになるのかもしれません。

Zirrowとの揉め事

今回このブログが有名になったのは、不動産情報サイトのZillow が、Zillow 上にあった豪邸の写真を使っての批評を「著作権違反だ」とし、写真の削除を求めたことによるものです。

Zillow 側の訴訟も辞さないという警告文

https://twitter.com/mcmansionhell/status/879429709251137537

ワグナー氏はZillowなど他サイトの写真を使った記事に、引用元のクレジットを示し、教育・風刺・パロディのためのフェアユースの範囲内である、との宣言を追加しましたが、一時サイトを停止することに。

しかし、Zillow 上の写真に、Zillow 自身の著作権はないことが明らかとなります。家の売主やエージェントが写真を掲載しているのですからね。そして、電子フロンティア財団(EFF)の支援が入り、ワグナー氏の代理としてのEFFからZillow へ返答が送られます。

この返答の中でワグナー氏が今後はZillow からの写真を使わないことを宣言したこともあってか、「それでもやるって言うならそっちの主張の間違いについてとことん争うぜ」というEFFの最後の一文が効いたのか、Zillow は法的な手段を取らないことを公表しました。

via Electronic Frontier Foundation, The Verge and Wasington Post

HttpsとTorで守れるデータ、守れないデータ – 電子フロンティア財団(EFF)の作成した図の読み方

電子フロンティア財団が作った、HTTPSとTorを使った時に通信の何が守られるのかを表すダイナミック・チャートがよくできています。

図の登場人物に日本語の訳をつけてみましたが、リンク先で実際に左上の「HTTPS」と「Tor」をオン・オフしてみて、httpsやTorでwebサービスにアクセスすることで、インターネットの途中の通信路にアクセスできる第三者に対して、あるいはアクセス先のwebサービスのサーバにアクセスできる人に対して、何を隠すことができるのか、を見ることができます。

eff-privacy-with-tor-and-https-diagram-with-japanese

ユーザー名/パスワード(USER/PW)と通信内容(DATA)については、図の中の項目は分かれていますが、実際のところ、どちらか一方が読まれてしまう場合にはもう一方も読まれてしまうことがわかります。HTTPSを使うことにより、途中の経路でそれらが盗聴される心配はなくなりますが、末端のwebサービス側では、それらを監視することは可能なので、もしwebサービスの運営者・管理者が弁護士や警察とデータを共有(datasharing)しているのであれば、そこではデータは隠せないということになります。

ちょうど今、アメリカ政府/NSA(国家安全保障局)がGoogleやFacebookなどの主要サービス事業者のサーバーに自由にアクセスできるPRISMという秘密プロジェクトを実施している、という内部告発が英ガーディアン紙などからリークされGoogleFacebookのトップは大急ぎでそれを否定する声明を出しています。

これが事実なら(アメリカ政府は否定する声明を出しています。)、オバマ大統領の弾劾にもつながるのでは、というぐらい大きなニュースですが、この告発では、右下の黒いSite.comに対して、アメリカ政府が自由にアクセスできるようになっていた、と主張しているわけですね。この場合は、Tor+HTTPSの両方をオンにしていても、エンドユーザーの接続元以外はすべて知られてしまっているということになります。

通信路や通信元を隠すことができるHTTPSやTorという技術に対して、何ができて何ができないのかを知るのに、とても良い図ではないかと思いました。

via HackerNews

市販のプリンターは印刷時に追跡用の隠しコードを描き込んでいるものがある

どのプリンターで印刷したか、調べたらわかる?

プリンターによっては、印刷した際に肉眼では見つけづらい黄色の点を勝手に印字することで、その紙に印字したプリンターのメーカー名や機種名、プリンターのシリアルナンバーや印刷日時までが読み取れるようになっているらしい。

yellow-dots.jpg

顕微鏡で拡大したイエロードットの写真

この件自体は、2005年に一度話題になっていた。

スラッシュドット ジャパン | Xeroxプリンタの印刷物に追跡コード

HotWired Japan ユーザーの知らぬ間に「追跡コード」も印刷

最初聞いたときは頭の悪い陰謀論みたいな話だ、と思ったけど、これを調べて注意を呼びかけているのはEFF(電子フロンティア財団)だし、実際に打ち出された黄色いドットから隠されている情報を再構築もできているようなので、どうも本当の話のようだ。アメリカ政府とプリンターメーカーとの契約によって、ニセ札の作成者を追跡するために組み込まれている機能だ、ということは確認されているという。

発覚の経緯

今回の話は、プリンターメーカーに対して「このドットを描画しないようにするにはどうしたらいいか」という問い合わせをした人のところに、数日後にシークレットサービスのエージェントが訪問してきたという話が発端らしい。

seeing yellowというサイトで、プリンターメーカーに対して監視コードを勝手に印字しないように文句を言おう、という呼びかけをしていて、すでに250人以上が行動しているということ。

行動したらシークレットサービスに監視されるのがわかっていて抗議する人がそれだけいるところも、アメリカらしいなあ。

「ニセ札の追跡」と言っているけど、もっと他にもいろいろ監視しようとしてるんじゃないか、というEFFらの懸念が妄想でもなさそうだ、ということか。

EFFでは、この機能を持っているプリンターのリストというのを作って公開している。 [更新 2017 EFFのページのURLが http://www.eff.org/Privacy/printers/list.php から変わっていた]

表の”Dots?”のところが”yes”になっているものがそれ。”Comments”のところで”EFF test”とあるのはEFF自身が確認したものということらしい。

それなりにコストがかかるのか、あとは本来のニセ札追跡機能であれば性能の悪いプリンターは気にしなくていいからか、主にハイエンドのプリンターにしか搭載されていないということだけれど、非常に多くのプリンターベンダーがこのプログラムに参加しているということになる。

日本でも使われている?

日本メーカーのプリンターも多い。アメリカ輸出向けにわざわざ仕様を変えているかどうかわからないので、日本で売ってるプリンターもひょっとするとこの黄色いドットを打ち出しているのかもね。

yellow-dots-printers-list.png

それを日本の警察が活用してるなんてこともありうるのだろうか。

# 数日後にサイボウズ・ラボに誰か来たりして…

黄色いドットは、高性能のスキャナでその紙を読み込んだ上で、グラフィックソフトで色調を変えたり拡大したりすると見つかるらしい。あと暗室で青色LEDを使うと見える、というのもあるけど。ちょっと僕の環境では試せないな(プリンタも7000円(64ドル)で買ったプリンタだし)

via del.icio.us/popular

[2007.07.17 追記]

みんなにプリンターメーカーへの問い合わせを勧めるMITの意図は、人力DoS、つまりシークレットサービスが監視しなきゃならん人数を莫大にすることで、この監視を意味の無いものにしようということだ、という解説が出ていた。(via Digg)

[2017-06-07 追記]

NSAのリーク文書で、この隠し追跡コードが実際に利用されたということが明らかになっています。

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