WebDB Forum 2010 サイボウズ企業賞
2010年11月11日(木)~12日(金)に、早稲田大学 理工学術院(西早稲田キャンパス)で開催された 「Webとデータベースに関するフォーラム」(WebDB Forum 2010)にて、サイボウズ企業賞を授与させていただきました。 アカデミックな学術研究や論文査読とは違った視点で、産業界から見た将来有望な研究者・発表論文に対して企業賞を授与し、奨励するものです。
サイボウズ企業賞
- 受賞者:
- 油井 誠, 小島 功(産業技術総合研究所)
- 発表題目:
- 「列指向データベースのためのタプル再分散不要の並列データベース構成法」
- 授賞理由:
- 本研究の提案手法Φハッシュ分割は、テーブルを水平垂直分割し、map問い合わせに分割属性を加味した選択演算が得意なMonetDBへの実装となっているが、Hive/Hadoopを陵駕する性能をTPC-Hで検証しており、それ以外の行指向DWHへの適用も考えられる有望な研究である。
- 副賞:
- 東京ドームシティ「スパ・ラクーア」招待券×3名様分
サイボウズ東京本社&ラボ見学会(交通費支給) - プレゼンター:
- 竹迫 良範(サイボウズ・ラボ)
本研究は、オランダ留学時のアムステルダムCWI(Centrum Wiskunde & Informatica)での研究成果の延長ということで、受賞後 @myuiさんが「teradata/netezza/paraccel/vertica/greenplum等の並列DBベンダのどこかにとりいれて貰えるように、…」 とつぶやかれていたのが印象的でしたが、僭越ながら本受賞がその一つのきっかけになれればと思いました。
初日の夜に論文集のCD-ROMのPDFを全部閲覧し、その他学生さんの面白い論文など受賞候補が多くあり、選考には大変悩みましたが、規定により企業研究者も対象にしても良いということで、今年は本発表を企業賞として授与することにいたしました。おめでとうございます!
ポスターレセプション
初日の夜は、夕食付きのポスターレセプションがあり、企業や大学の若手研究者たちとポスター発表を通じて交流を深めることができました。
食事つきで、聴講学生(学生会員)は無料、聴講学生(非会員)は1000円と、この手の学会フォーラムではかなり破格の参加費用だと思います。
技術報告セッション
スポンサー企業の技術報告セッションでは、サイボウズ・ラボの中谷より「国際化時代の40カ国語言語判定」の発表をさせていただきました。本研究の成果であるJavaによる言語判定ライブラリはオープンソースとして公開しておりますので、興味のある方はぜひ使ってフィードバックいただけると有難いです。
USTREAM中継について
本フォーラムでは、3トラック進行でしたが、各会場でUSTREAM中継が行われ、外部からの視聴者も参加し、Twitterのつぶやきも大変盛り上がるものになりました。
- Togetter - 「Webとデータベースに関するフォーラム (WebDB Forum 2010) 1日目」
- Togetter - 「Webとデータベースに関するフォーラム (WebDB Forum 2010) 2日目 (2010/11/12@早稲田大)」
録画映像の権利関係の処理について、大学の授業アーカイヴなどでも議論になって大変面倒な手続きも多いかと思います。来年はどのようになるかわかりませんが、Webのようにオープンな産学連携フォーラムとして、USTREAM中継の試みは継続して実施していただけると、幅広い参加者層た来年度のスポンサー獲得にも良い影響を与える投資になると思います。
余談
あと、実行副委員長として活躍された京都大学の中村聡史先生がつぶやかれている通り、
「参加費が抑えられている理由は,会場が大学であり,ローカル担当の方々の多大な献身によって成り立っているというのが大きい.参加費を上げてでもローカル担当者の負担軽減はなんとかすべきだよなぁ.」
という課題は、過去YAPCなどで大規模イベント運営の経験をした者としては共感できる悩みだったりします。
「例年より担当者を増やして省力化をはかったつもりだったけれどあまり成功していない.どの程度のコストがかかるのか,会議の運営に関するコスト見積もりをしっかりしないと研究者が倒れてしまう.研究者が担当しなければならない仕事と,業者に依頼できる部分を分離するのが喫緊の課題」
についても、優秀な研究者の時間を奪うことは、人類の未来に対して足をひっぱているんじゃないかという指摘が外部からなされないといけないと思います。
ちなみに、サイボウズ・ラボでは、本フォーラムのスポンサー支援や参加申し込み事務手続きなどは本社HRのセクレタリ級の担当者が持ち回りで担当していて、研究者自身は直接運営側とコンタクトを一切とっていません。(直接研究者とのメールのやり取りがない分、運営者側にはいろいろご負担をお掛けしている部分があるかもしれませんが…)
聞いた話によるとヨーロッパのYAPCでは、主催地域のpmはホスト役に徹して、運営に全力を注ぎ、その場での発表をしない(発表者がいなくても責めない、ホスト役を徹底的に感謝する)など、負荷軽減策が行われていたりするそうです。継続的にこのような大規模イベントを開催する場合は、単年度事業として評価するのではなく、持続的に開催できる仕組み作りがそろそろ必要なのかもしれませんね。






